知性とコミュ力の勝利? 超過酷な24時間レースで初出場チームが優勝した要因とは
ドライバー変更、出火トラブルを乗り越えて優勝をつかんだ要因とは?
――チームとして目指したものはなんでしょうか。
これまでの日本チームとの差別化、具体的にはグローバル対応力、ダイバーシティの強化を掲げていました。
当初は外国人3名と私の4名構成でしたが、今回の3名も、ショウン選手、根本選手は海外を中心に活躍している選手なのでブレはありません。
高木選手もベテランという意味でチームの中核でディルク選手(当初参加予定だったAMGのドライバー)と同じ立ち位置です。
エンジニア、メカニックの力とチームワークが重要だと思いました。エンジニアやメカニックは実績のあるメンバーなので、新規チームという感じはほとんどありませんでした。
SUPER GTでチームメイトだったりしたこともあるメンバーばかりなので、スムースに事を運ぶことができました。
――ドライバー選びやドライバー同士のコミュニケーションはいかがでしょうか。
速さは大事ですが、それ以上に人間性、とくに「知性とコミュニケーション能力」を重点にドライバー選びをおこないました。高木選手、ショウン選手、根本選手3名とも上記要件に合致していたのでお願いしました。
4人の納得感があるようにコミュニケーションをとっています。ショウン選手と根本選手の若手2名の意見を大事にしながら、ベテランである高木選手の経験を生かして、という感じです。4人とも明るくて優しいキャラクターなので、雰囲気は良いです。
――888にはどんな意味がありますか。
参戦体制を発表した時点では、ベティ選手とショウン選手という華人2名がいたので、彼らにとってラッキーナンバーである888号車としていました。
またインターコンチネンタルGTチャレンジでの有力チームである「グループM」も888号車なので、かっこ良いという感じです。
――ピットでの出火や合計4時間半にわたる豪雨による中断など、色々大変でしたね。
個人的には出火と雨による中断以外はすべて事前シミュレーション通りでした。
出火後も割と落ち着いていましたし、4ラップという差も全チームがとらなければいけない10分のメンテナンスタイムで埋まる事がわかっていたので、予定通りという感じです。
※ ※ ※
スーパー耐久は2021年1月に鈴鹿サーキットで開催されるレースまで全6戦が予定されています。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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