日産 新型「Z」価格は400万円台前半で400馬力超!? GT-Rとは違う新しいZとは

3リッターツインターボ搭載で、価格は400万円前半から?

 今回、オンラインでの世界初公開の後、メディア向けに先行内覧会がおこなわれました。フェアレディZ プロトタイプの細部までチェックすることができたので、報告したいと思います。

 まずエクステリアです。Aピラーやルーフラインから推測すると、現行モデルの「Z34」の基本骨格を踏襲しているのがわかりますが、プロポーションは大きく進化しています。

流麗なクーペフォルムが美しい「フェアレディZ プロトタイプ」
流麗なクーペフォルムが美しい「フェアレディZ プロトタイプ」

 フェアレディZ プロトタイプのボディサイズは全長4382mm×全幅1850mm×全高1310mmと発表されましたが、Z34の全長4260mm×全幅1845mm×全高1315mmと比べると全長が伸びています。

 サイドから見ると、フロントオーバーハングが伸び、リアオーバーハングが短くなって、ロングノーズ/ショートデッキを強調。そのデザインは「新しいのに懐かしい」といった印象を受けました。

 驚いたのはVモーショングリルやブーメランシグネチャーといった、日産のデザイン言語が採用されていないことです。恐らく、日産ファミリーであることよりも、「Zらしさ」を重視したのでしょう。

 日本刀をイメージしたシュッとした引き締まったプロポーションに、歴代モデルのオマージュが随所にバランスよく盛り込まれています。

 たとえば、フロントフードやティアドロップ形状のヘッドランプ、リアハッチ周りの処理は初代(S30)、リアのランプ周りは4代目(Z32)などなど、随所に見て取れます。

 ただ、フォード「マスタング」やシボレー「カマロ」のような「懐古主義」とはちょっと違い、歴代モデルをリスペクトしながらも前を向いたデザインだと感じました。

 ルーフやフェンダーからリアに繋がる造形は新型フェアレディZの特徴のひとつで、スポーツカーらしい凝縮感だけでなく、ジャガーやアストンマーティンを彷彿とさせる伸びやかでエレガントな印象も受けました。

 インテリアは未来のスポーツカーを感じさせる先進性を全面的にアピールしたデザインで、横基調のインパネ周りは現行モデルよりも伸びやかな印象です。

 メーターは12.3インチのフルデジタルディスプレイで、センターにタコメーターをレイアウト。針が真上(=レッドゾーン)を指すと同時にシフトアップインインジケーターが左右から点滅する演出は、レーシングカーからフィードバックされたそうです。

 インパネ上部には歴代モデルで多く採用されてきた3連メーターも継承して装着されています。

 さらにステアリング右側には、アダプティブクルーズコントロール用の操作スイッチも確認できました。

 ただ、電気自動車の「リーフ」に装着されているものを流用したように見えるインフォテイメントやダイヤル式の空調コントロールは、少々スマートさに欠けるのも事実です。

 この辺りのちょっと足りないところは、絶壁インパネといわれた2代目(S130)や3代目(Z31)を踏襲しているように感じました。

 気になるメカニズムはどうなるのでしょうか。

 今回わかったのは「V6ツインターボエンジン」と「6速MT」ということだけで、それ以外の詳細は未公表です。日産が現在持つメカニズムから、新型フェアレディZを予想したいと思います。

 エンジンは、タコメーターのレッドゾーン(7000rpm)や海外で「400Z」という名称が商用登録されている事から推測すると、「スカイライン」の最強仕様「400R」に搭載される3リッターV型6気筒ツインターボエンジンの「VR30DDTT」で間違いないしょう。

 ちなみにVR30DDTTと6速MTの組み合わせは初ですが、田村氏は「絶対にMTでなければいけないと思いました」と語るように、絶対的な速さはGT-Rに任せ、Zは自分で操る歓びといった気持ち良さの部分を重視している証拠でもあります。

 ただし、多くの人にMTを受け入れてもらえるように、シフトレバー右側にはシンクロレブコントロールも継続採用されます。

 フロントグリルが四角に大きく開けられている理由は、初代のイメージの踏襲だけでなく、冷却性能を確保のための機能のためだといわれています。

 また、タコメーター内には「SPORTモード」を示すインジケーターが確認できました。

 プラットフォームは5代目(Z33)から採用しているFMプラットフォームです。

 日産のプラットフォーム計画を見ると、FF系はアライアンス効果を活かして共通化/合理化のなかで刷新されつつありますが、FR系は日産しかモデルが存在しないため、ビジネスの観点で見ると新規開発は難しいのも事実です。

 しかし、田村氏は「素で勝負できるクルマ」と自信を持って語っていることから推測すると、制御系でごまかすのではなく、車体の基本となる部分で大掛かりなアップデートがおこなわれているはずです。

 他社の事例ですが、大幅改良されたレクサス「IS」が、従来プラットフォームの大改修によって走行性能が劇的なレベルアップを果たしたことからすると、新型フェアレディZについても心配はいらないでしょう。

 フェアレディZ プロトタイプの足元には、フロント255/45R19、リア285/35R19サイズのダンロップ SPスポーツMAXXと軽量アルミホイールが組み合わされていました。

 さらに、チラッと覗くブレーキはR35 GT-R用のブレンボが奢られていましたが、これはプロトタイプとしての演出で、量産モデルはもう少し控えめになるはずです。

 新型フェアレディZの量産モデルはいつ登場するのでしょうか。

 NISSAN NEXTの「今後18か月の間に」という言葉を信じれば、2021年の東京モーターショーで量産モデルを世界初公開、2021年内に正式発売というのが素直な流れではないでしょうか。

 田村氏は「頑張れば手が届く値段にしたいと思っています」と語りました。

 現行モデルのスターティングプライスが398万円である事から予測すると、400万円前半スタートであることを期待したいところです。

※ ※ ※

 今回のイベントをオンライン視聴していた人のなかに、実はトヨタの関係者もいました。

 話を聞いてみると、「我々としても嬉しいです。一緒にスポーツカーを盛り上げていきたいです」とのことでした。

 フェアレディZ プロトタイプが発表されたその夜には、奇しくもトヨタ「GRヤリス」のオンラインイベントが開催されました。

 まさか日本でスポーツカーのイベントを連続で見ることができる日が来るとは、何だか感慨深いです。

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6件のコメント

  1. フロントマスクとリヤ変でしょ。フロントマスクはさかなクンの帽子じゃん。古いけどざんねーん。名付けてさかなクンZ

  2. もう、こういうお追従の評論はやめましょう。
    この車のどこがかっこいいと思うのでしょうか。
    かつてのZを並べて街角で聞いてみてください。

  3. 正面はハコフグ。Zの名前が泣きます。

  4. 一見アウディかと。後ろのエンブレム、Nissanもカッコ良すぎもうダメだ。初代のZやジャガーみたいに思わず目に止まるデザインにならないかなぁ。独自性がなくちゃ売れないよ。多分一般の人はがっかりだよ。

  5. 本当にカッコイイと思ってんの?眼科行けよ。

  6. クソかっこいいなまじで

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