前時代的だけど性能は一級品だった! OHVエンジンだけど頑張った国産車5選
唯一無二! OHVのガソリンターボ車があった!?
●トヨタ「スターレット」KP61

トヨタのエントリーモデルだった「パブリカ」の上級モデルとして、2ドアクーペ/4ドアセダンの「パブリカ・スターレット」が1973年に登場。
そして、1978年モデルチェンジで、2BOXのハッチバックスタイルとなったFR車、2代目「スターレット」が発売されました。
スターレットに搭載されたエンジンは、先代の1.2リッターから排気量を拡大した1.3リッター直列4気筒OHVで72馬力を発揮。高回転は不得意ながらも中回転域でのスロットルレスポンスは良く、700kgの軽量ボディには十分なパワーでした。
また、2代目にはダイレクト感の強いラック&ピニオン式ステアリングギアボックスを採用し、全グレードでフロントディスクブレーキの採用。
ホーシングタイプのリアアクスルながら、先代のリーフリジッドサスペンションから4リンク式コイルスプリングにあらためたことでサスペンションストロークも確保され、シャシ性能が大幅に向上しています。
さらに、日本で最初のシリーズ戦形式のワンメイクレース「スターレット・カップ」が開催され、ラリーでも活躍するなど、高いポテンシャルを証明しました。
1984年にはすべてが一新されたFFの3代目が登場。エンジンもすべてSOHCを搭載し、性能もあらゆる面で向上しています。
●スバル「レオーネ」

1971年、スバル初代「レオーネ」が誕生。名車と呼ばれた「スバル1000」の後継車として水平対向4気筒OHVエンジンを搭載し、ボディタイプも2ドアクーペ、セダン、ライトバンを展開。
1979年に登場した2代目では、4ドアセダン、2ドアハードトップ、エステートバン、3ドアハッチバックと、ボディバリエーションを拡充。エンジンはそれまでの1.6リッターや1.4リッターに加えて1.8リッター水平対向4気筒OHVエンジンが登場しました。
1.6リッターエンジンにツインキャブを備えたスポーツモデル「1600SRX」や、いまでは当たり前となったパワーステアリング、パワーウインドウ、オートエアコンを装備可能とした最上級車種「1800GTS」をラインナップ。
また1.8リッターの4WD車はデュアルレンジと呼ばれる副変速機付き4速MTを搭載し、幅広いニーズに対応しました。
1981年には、スバル初の5ナンバーステーションワゴンとなる「ツーリングワゴン」を追加し、1982年には折からのターボブームに追従するため、120馬力を発揮するターボモデルをラインナップ。
水平対向OHVエンジンにターボを組み合わせた乗用車はレオーネが日本初で、偉業といえますが、パワー的には他車には及ばず、1984年に3代目の登場で新開発の1.8リッターSOHCが主力エンジンとなります。
しかし、1.6リッターエンジンはOHVのまま生き残り、1994年まで初代「レガシィ」と併売されました。
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現在もシボレー新型「コルベット」にはOHVエンジンが搭載され、ダッジ「チャレンジャー」などのマッスルカーもOHVエンジンが設定されており、大排気量でハイパワーなアメリカ車の伝統を受け継いでいます。
一方で、ベントレーは60年間搭載していたV型8気筒OHVエンジンの生産を2020年6月に終了。これも伝統を重んじてきた結果の採用でしたが、ついに消えてしまいました。
性能的にはいまも現役を続けることも可能なOHVエンジンですが、騒音や環境対応などの対応には不利で、生産の合理化という面でも生き残るのが難しくなっています。
実際、アメリカ車でもOHVは少数派ですから、近い将来には完全に淘汰されてしまうかもしれません。
Writer: くるまのニュース編集部
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