AT車全盛の日本でMT車は絶滅危惧!? あえて乗りたいMT車のメリットとは

AT車が全盛の日本において、わずかながらMT車は存在します。新車販売のほとんどがAT車となるなかで、あえてMT車に乗る意味やメリットとは、どのようなことなのでしょうか。

運転が楽しい! MT車のメリットとは?

 近年では新車販売台数の98%以上が2ペダルのAT車となっているほど、日本はAT大国となりましたが、同時にMTへこだわりを持つユーザーも存在します。

マイチェンで形状変更されるホンダ新型「シビックタイプR」のMTシフト
マイチェンで形状変更されるホンダ新型「シビックタイプR」のMTシフト

 また、普通車の8割以上にMT車を設定するマツダや、2019年9月に登場した「カローラシリーズ」をはじめ、さまざまな車種にMT仕様を用意するトヨタなど、MT車を積極的に導入するメーカーも増えています。

 販売されるほとんどの新型車がAT車という現状ですが、それでもMT車を運転するメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。

●運転が楽しい

 クルマ好きにとっては運転すること自体が楽しいことですが、自らの意思でクラッチペダルを踏み込み、ギアを選択して走るということは、運転の楽しさをより引き上げてくれます。

 現代の進化した2ペダル車であれば、サーキットなどでの変速スピードをとっても3ペダルのMTよりも速く、またクラッチ操作がない分、運転に集中できてラップタイムも速くなるでしょう。

 しかし公道を走行するときに速さは重要ではありません。それよりも回転を合わせて気持ちよくシフトダウンできたとか、あえて低いギアを選択して加速感やサウンドを楽しむといった感覚的な楽しさこそが重要であり、それを享受できるのがMTといえるのです。

●誤操作時のリスクが低い

 ここ数年で耳にすることが多くなった「アクセルとブレーキの踏み間違い」による事故は、社会問題にもなっています。

 自動車メーカーも、新型車に誤発進抑制機能を付けるだけではなく、すでに販売済みの車両に後付けで誤発進抑制機能を備えることができるようにもなってきています。

 しかし、そもそもクラッチペダルが存在するMT車であれば、クラッチを切っていればアクセルを誤って踏み込んだとしても空ぶかし状態になるだけで急発進することはないでしょう。

 その際に万が一ブレーキペダルから足が離れていたとしても、よほどの急坂でない限り、極端にクルマが動くことはありません。

 また、クラッチペダルの操作を誤った場合でも、ほとんどの場合はエンストするだけで回りに危害を加えるほどの事態にはなりにくいと考えられ、誤操作時の安全マージンはMT車のほうが高いといえるでしょう。

●トラブルリスクの低さ

 過走行のAT車や、デュアルクラッチトランスミッション(DCT)などと呼ばれる2ペダルMT車の場合、それなりの頻度でトランスミッションのトラブルが発生することがあるといわれています。

 変速ショックが大きくなっただとか、変速をしなくなっただとか、ひどいときにはギアが噛みこんでしまって全く動かせなくなったとか、さまざまなトラブルがありますが、そうなると走行できなくなってしまうだけでなく、修理にもかなりの費用がかかってしまいます。

 一方MT車の場合は、クラッチ周りの消耗品関係のトラブルが発生しても、交換すれば何事もなかったかのように復活することがほとんど。

 トランスミッション内部の破損などは、サーキット走行など高負荷時でない限り耳にすることほとんどもなく、耐久性の面でも修理費用の面でもMTのほうが有利となっています。

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5件のコメント

  1. AT車全盛の日本でMT車は絶滅危惧!? の記事の中に「坂道発進」について有りましたが、坂道発進はサイドブレーキを使うのが当たり前、教習所でもそう教えられます。
    記事の最初の方に両足だけで発進する記述が有りましたが、安全を考えるとアイドリングトルクや車重やギア比にもよりますが、1%勾配でもなかなか微妙だと思います。
    サイド合わせが面倒ならMTには乗らないことです。
    小生、安全な場所でヒール&トゥでの坂道発進を練習した事も有りましたが、走行中のヒール&トゥよりはるかに難しく、それ以来必ずサイド合わせで発進しています。

  2. いつもこの手の記事で多いのが、「MT=楽しい・AT/CVT=つまらない」という思い込みで書く。
    特に自動車評論家や自動車関係のライターがその傾向が強い。
    その偏見は、「自分はMT車が運転できる」というつまらない優越感からくるものだろうか?
    別に、AT/CVT車でもクラッチ操作がなく、安全に運転できる人が多い。
    このような、MT車の運転が優れているという、つまらない優越感でのくだらない記事は、辞めてほしい。
    それよりも、安全にAT/CVTを運転したり、AT/CVTでスポーツ走行する記事を掲載した方がまだよい。

  3. 明確に価格差つけてくれたら、私のようなM/T経験が長い貧乏定年者は、購入するよ。ラッシュ時なんか車に乗る必要ないし。20年ほど前までM/T乗っていたけど、購入理由は価格差だけ。

  4. 自分は免許取得依頼30年あまりの間ある半年間以外はずっとMT車です.昨年免許取得した長男にも半ば無理やりそれまで7年乗っていた自分のFIT-HVRS-6MT(走行15万キロ)を譲りました.最初は文句を言っていましたが一年近くたった最近はMTに最初に乗ってよかったと言っています.坂道発進もサイドブレーキ前提で慣れれば何ら問題なく,都市部での大渋滞だけがマイナス点でしょうか.
    MTが楽しいのは間違いないですが,2ペダルでも楽しい車はたくさんあるのも事実です.
    ただ自分が思うのは,2ペダル車は簡単に車を動かすことができることが問題であるということです.
    人間は簡単さになれると緊張感が緩んでしまう傾向があると思うのです.
    車は1トン(ない車もありますが)の物体であり,一つ間違うと凶器です.みなさん頭では理解していると思いますが緊張感の低下にともないその意識も低下してくるのだと思います.シフト操作がない分ハンドル操作や周囲の状況確認に意識を向けられるとは言いますが現実はそうではないと思います.
    最近ではアイサイトはじめ多くの安全デバイスが進化してきてそれはそれで大歓迎ではあります.たとえばVSCなど姿勢安定化装置付きだとアイスバーンなどでも普通に走れてしまいます.でもここで問題なのは最近乗り出す人たちはそれらが標準装備されたものしか知らないということです.いくら安全デバイスがあるとはいえ危険な路面であるという認識を持っていないと安全デバイスの領域を超えたときにはえらいことになってしまうのです.小生のように40~50代以上ならABSもオプションの時代を知っていますから信号待ちなんかでドアを開け路面を触ったりして確認したり,デバイスが働かない領域での運転操作(速度域)です.
    時代とは言え自動車以外でも技術の進歩に似たような感覚を覚えますね.

  5. もう、誰も見ていないかもしれませんが・・・
    MT車のメリットとしては、最近特に問題になっている、高齢者の暴走事故の削減に一番有効ではないでしょうか?
    別に記事にありましたが、1991年まではAT限定免許はなかったので、50歳以上の人なら、MT運転できるでしょ?
    そもそも、間違って?アクセル思いっきり踏んだとしても、クラッチ繋げなきゃ発進できないわけで、
    その時点で判るし、走行中間違ってアクセル踏んでもクラッチ切ればいいだけ、
    間違って踏み続けることはない。
    結局、他人(この場合は車)任せになって、漫然と運転しているかからそうなるわけで、
    できればパワステもいらない、(据え切りなんてできないし)
    ちゃんと運転できない人は車を動かせすらできない。
    意思をもって、自分のコントロールの配下に置かなければならない。
    体にハンデのある人以外は、MTにすべきです。
    それができなくなったのなら、おいぼれた証拠
    その時は免許を返納しなければならないってことですよ!

    ●運転が楽しい
    と書いてありますが、MTだから楽しいわけではないと思います。
    はっきり言って慣れないうちは、「メンドクサイ!」
    でも、慣れてしまえば、体が覚えているので、無意識に操作はできるはず
    (無意識なので自分もいまだに、ATをドライブしている時でも、左手と左足が勝手に動いてしまいます。
     交差点では、ウィンカーを出そうとしてワイパー作動させたりもするし…)

    ●本題の「MTが楽しい」のは、どのような時かといえば
    昔のカタログにはエンジン性能曲線が記載されていて、パワーバンドがどこにあるか等を記憶しておいて
    先にドライビングをイメージしておいて、実際にそのイメージしたした通りの動作ができたときに
    ドライビングハイになれると思います。
    なので、そもそもイメージができない人には無理かも?

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