ぜんぜん売れなかったスカイラインがあった!? 低グレードの珍車5選
新車を買う時に、大いに悩みどころなのがグレード選びです。グレードによって装備や外観、エンジンが異なり、価格も上級グレードと下位グレードで数十万円から100万円以上もの差があるモデルも存在。そこで、かつて販売された珍しい低グレードのモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
愛すべき低グレードのモデルを振り返る
新車を購入する際に、車種が決まっていても悩みどころなのはグレード選びではないでしょうか。1車種につき複数のグレードが設定されているのが一般的で、グレードによって装備やエンジン、外観が異なる場合があります。

そして重要なのが価格で、車種によっては上位グレードと下位グレードでは数十万円から100万円以上もの差があるため、限りある予算のなかでは、1グレード上か下かで悩むことでしょう。
そこで、かつて販売された珍しい低グレードのモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●トヨタ「カローラレビンJ/スプリンタートレノJ」

1966年に誕生したトヨタ初代「カローラ」は、高い実用性と品質の高さで、トヨタを代表する小型大衆車として大ヒットしました。
発売当時は2ドアセダンのみでしたが、翌年には4ドアセダンやライトバンを追加ラインナップし、1968年にはスポーティな2ドアクーペボディの「カローラスプリンター」が登場。
その後、小型大衆車にも高性能化をすすめるため、1972年には2代目カローラ/スプリンターに、「セリカ1600GT」用に開発された115馬力(ハイオク仕様)を発揮する1.6リッター直列4気筒DOHCエンジン「2T-G型」を搭載する「TE27型 カローラレビン/スプリンタートレノ」を追加ラインナップ。
身近な高性能モデルとして、スポーツドライビング好きな若者を中心に大人気となりました。
このカローラレビン/スプリンタートレノには廉価グレードが存在し、モデル名は「カローラレビンJ/スプリンタートレノJ」です。
エンジンは1.6リッター直列4気筒OHVの「2T-B型」で、最高出力は105馬力(ハイオク仕様)と、2T-G型から10馬力ダウンされていました。
外観はDOHCモデルとエンブレム以外は変わらなかったものの、やはりDOHCの人気が高く、いまでは現存数が極端に少ない、激レアモデルです。また、エンジンをDOHCに換装されたモデルも多いといいます。
じつはカローラレビン/スプリンタートレノには、廉価グレードがほかの代にも設定されており、あのAE86型にもAE85型という1.5リッターSOHCエンジン車が存在しました。
●ホンダ「バラードスポーツCR-X 1.3」

1980年に、ホンダ2代目「シビック」の姉妹車として初代「バラード」が誕生。シビックに対して4ドアセダンのみと差別化されていましたが、販売的にはシビックには遠く及びませんでした。
そして1983年に、同じくシビックの姉妹車として2代目バラードが登場し、派生車としてラインナップされたのが、コンパクトスポーツカーの「バラードスポーツCR-X」です。
発売当初は1.5リッター直列4気筒SOHC(CVCC)エンジンの「1.5i」が上位グレードで、下位グレードに1.3リッター直列4気筒SOHC(CVCC)エンジンを搭載する「1.3」を設定。
1.5リッターエンジンが電子制御燃料噴射で110馬力だったのに対し、1.3リッターエンジンはキャブレター仕様で80馬力と、30馬力もの差がありました。
一方、1.3の車重は装備が簡素化されていたこともあり、わずか760kg(MT)と、現在の軽自動車よりも軽量で、価格もノーマルルーフ仕様のMTで99万3000円(東京価格)と安価でした。
外観は1.5iに比べ質素で、前後スポイラーは無く、バンパーやドアの下部は無塗装の樹脂となっています。
1.3は安価で軽量で、燃費も優れたモデルでしたが、スポーツカーとして1.5iの人気が高く、販売は低迷。いまではまずお目にかかれない激レア車です。
●日産「スカイライン GTE/GXi」

1989年に発売された日産8代目「スカイライン」(R32型)は、16年ぶりとなる「スカイラインGT-R」が復活や、すべてが一新されて大きく進化したモデルとして、いまも語り継がれる存在です。
当然ながら、スカイラインGT-Rを頂点として、2ドアクーペ、4ドアセダンをラインナップして、数多くのグレード展開がおこなわれまた。
グレードによる差は、エンジン、駆動方式、装備で大別されていましたが、あまり知られていないグレードとして、2リッター直列6気筒SOHC自然吸気エンジン「RB20E型」を搭載した「スカイライン GTE」が存在。
最高出力は125馬力と、280馬力を誇ったスカイラインGT-Rの半分以下で、7代目にも同型エンジンが搭載されていました。
そして、さらに珍しいグレードが「スカイライン GXi」で、エンジンは1.8リッター直列4気筒SOHCの「CA18i型」で、最高出力はわずか91馬力でした。
GXiでは外観も黒いドアミラーやスチール製ホイールとされるなど、当時の廉価グレードの見本のような仕様です。
じつは、こうした廉価グレードは2代目以降のスカイラインには歴代で設定されており、フロントノーズが短い4気筒エンジン車も存在しました。
9代目では4気筒エンジンは廃止されましたが、6気筒SOHCエンジンは継承され、10代目では全グレードで6気筒DOHCエンジンを搭載しています。
このGTE/GXiはR32型のなかでも、かなり異色なモデルで、その存在を知っている人も少ないのではないでしょうか。


























