ぜんぜん売れなかったスカイラインがあった!? 低グレードの珍車5選

世界でもっとも有名なスポーツカーにも廉価版があった!?

●シボレー「カマロ スポーツクーペ」

日本でもヒットしたものの急速に消えてしまった4代目「カマロ」
日本でもヒットしたものの急速に消えてしまった4代目「カマロ」

 シボレーのスポーツモデルというと、頂点に君臨する「コルベット」と、若者向けのエントリーモデルとして「カマロ」があります。

 カマロは1967年に初代が誕生した2ドアクーペ(オープンもあり)で、3.8リッター直列6気筒から6.5リッターV型8気筒エンジンを搭載することで、あらゆるニーズに対応していました。

 その後、コンセプトを大きく変えずに代を重ね、1993年に4代目が登場。当初のトップグレードは「Z28」で、5.7リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載し、278馬力を発揮する新世代のマッスルカーでした。

 外観はフェラーリ「エンツォ・フェラーリ」も手掛けた日本人デザイナーの奥山清行氏によるもので、ロー&ワイドな流麗なスタイルと、空気を切り裂くようなロングノーズが特徴的です。

 初代と同様にダウンサイジングされたエンジンを搭載するモデルがあり、日本でも販売されたエントリーグレードの「スポーツクーペ」が廉価グレードでした。

 スポーツクーペには3.4リッターV型6気筒エンジンが搭載され、最高出力は161馬力と、1.3トン強の車重と比較的軽量だったことから走りは鈍重ではありませんが、操縦性はかなりソフトな印象です。

 このスポーツクーペは歴代モデルのなかでも日本でヒット作となります。その背景として円高があり、3.8リッターエンジンに換装された1995年モデルで275万円。さらに追加設定された廉価モデルの「クーペ」は238万円と、国産2リッターモデルと競合する価格帯を実現。

 ちなみに1995年には1ドルが79円台となるなど、凄まじい円高でした。

 こうして、ヒットした4代目カマロですが、やはりアメリカ車といえば大排気量を是とする傾向からか、販売は徐々に低迷し、本国での生産終了にともない2002年に国内販売を終了。現在の中古車市場でも現存数が少ない状況です。

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●ポルシェ「912」

4気筒エンジンを搭載し、安価に抑えた結果ヒットした「912」
4気筒エンジンを搭載し、安価に抑えた結果ヒットした「912」

 第二次世界大戦後にポルシェはフォルクスワーゲン「タイプ1」と同種のエンジンをチューニングして搭載した小型スポーツカー、ポルシェ「356」を開発。アメリカで大ヒットを記録します。

 その後継車として1964年に初代「911」を発売。新たに開発された2リッター空冷水平対向6気筒SOHCエンジンをリアに搭載したRR駆動の2+2クーペで、その性能の高さからポルシェは今に続く輝かしい歴史を刻んでいくことになります。

 しかし、911は356に比べて大幅に高価となってしまい、356で獲得したオーナーたちを失わないためにと、911のボディに最終型356に搭載していた1.6リッター空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載する、廉価版の「912」を追加しました。

 それまでも、「911T」といった廉価グレードがあったため、912は大胆にコストダウンした派生車という位置づけです。

 912に搭載されていた4気筒OHVエンジンは最高出力90馬力で、動力性能は911の130馬力に到底及ばないものでしたが、エンジンが4気筒と軽量だったため、911よりも前後重量バランスは良かったとの評価もあります。

 内装では5連メーターが3連メーターとされるなど、装備も簡素化されており、1967年にはオープンボディの「912タルガ」が登場してヒットし、1969年の生産終了までに912シリーズは3万台以上も販売されました。

 なお、アメリカ向け限定で、次世代の930型(通称ビッグバンパー)にも2リッター空冷水平対向4気筒OHVエンジンを搭載した「912E」が、1975年5月から約1年間だけ販売されています。

 2000年代初頭ならば、日本でも912シリーズは100万円台で中古車が販売されていましたが、いまでは空冷911の価格高騰から、300万円以上の価格となってしまいました。

※ ※ ※

 昭和の頃は高額な上級グレードがもっとも売れていたといいます。現在ではコンパクトカーでは廉価グレードが売れ、軽自動車では装備と価格のバランスが良い中間グレードが人気のようです。

 かつては、グレードによって外観も大きく異なることが一般的でしたが、近年はグレードによる見た目の差は少なく、廉価グレードでも装備が充実しているので、予算や使い方を最優先に考えて選ぶ時代になったといえます。

 そのため、グレードも絞られており、いまではかつてほどの多彩なグレード展開は珍しくなりました。

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5件のコメント

  1. ギャラン/エテルナの廉価版を忘れちゃあいけない

  2. 2リッター直列6気筒SOHC自然吸気エンジン「RB20E型」を搭載した「スカイライン GTE」こそ、隠れた名車です。RB20Eは余計な機構が無いぶん、レッドラインまで一気に回るスムースさとトルクのフラット感が特徴の名エンジンでした。非力だからこそ高速の合流でそれをフルに回して堪能できたのです。しかもノーズが軽いので、ハンドリングも絶妙。これに乗った後にDOHCエンジンのRB25DEに乗りましたが、パワーはあるものの、あのシルクのようなスムースさは追加されたカムシャフトによって失われ、回頭性も重量が増したことによって一歩及びませんでした。

  3. C33ローレル「グランドクルーズ」も降格扱い

  4. ノーズが短いんじゃない。あれが標準。GTが長いだけ。
    4気筒は前が軽くて回頭性がよく見切りもよかったのでラリーなんかに使われた。
    ハコスカは競技用として、1500スタンダードベースでセパレートシート、4速フロアシフトの「スポーツ」が用意された。

  5. 「AE86型にもAE85型という1.5リッターSOHCエンジン車が存在しました。」て、日本語おかしいことくらい気付けよ。AE85はAE86ではないよ。

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