大型台風接近! 車は早めに「垂直避難」へ 高潮や洪水が予想される場合はどこに避難させる?

底面まで水が来たらクルマは簡単に浮く! 冠水前にできる対策とは

 重さ1トンから2トンほどの鉄の塊であるクルマですが、水が車体の底面を超えれば簡単に浮いてしまいます。

 つまり、最低地上高の低いスポーツカー(10cm前後)はSUV(15cmから20cm前後)よりも早い段階でクルマが浮いたり、浸水が始まったりすることになります。

冠水対策としてクルマの避難先はどこが有効?
冠水対策としてクルマの避難先はどこが有効?

 では、洪水や高潮で外が冠水し、クルマが浸水しそうなときには、どこに避難させるのが良いでしょうか。

 高潮は地震と違って、気象情報や前ぶれの現象などにより、ある程度の予測は可能です。しかし、湾奥など地形特性によって局地的に高くなる高潮までは予測できません。

 また、ダムが決壊したり、急激に雨量が増加したりで、瞬く間に洪水が押し寄せることもあります。局地的な現象はあまり時間を与えてくれないので自分自身ですばやく判断して行動することになります。

 台風による大雨、強風は高潮のみならず、河川の氾濫などによる洪水の被害も予想されます。

 冠水や浸水による被害からクルマを守るために、まず重要なのは、とにかく早めの「垂直避難」です。

 よく、クルマの浸水が予想される際には「丘の上や坂の上など高台に移動させる」といわれますが、実際、地形的に「高台」がない地域もたくさんあります。また、高台に移動させた後、自宅までの帰り道も気になります。

 その場合は早めに人工的な高台である立体駐車場に移動させましょう。

 パチンコ店やショッピングモールなどの商業施設は、災害時の避難場所として市町村などと協定を結んでいるところも少なくありません。市町村の災害センターで確認するか、店舗などに直接問い合わせてください。

 また、JAFに加入しておくのも効果的です。

 JAFのロードサービスは損保やクレジットカードなどに無料付帯されるロードサービスとは違って、冠水し不動となったクルマの引き上げなど自然災害にも対応しています。

 また、損保が「契約車両」だけを対象にしているのとは違い、「人」に掛けるシステムになっているので、JAF会員所有のクルマはもちろん、会員が使用中のレンタカーやカーシェアのクルマ、オートバイなども対象となります。

 JAFでは毎年「自然災害の後に加入者が増える」といわれています。もちろん、JAFでも物理的に対応できないケースはあると思いますが、事前に入っておけば安心です。

 そのうえで、高潮ハザードマップや国土交通省の「浸水ナビ」で自分の暮らす地域の危険性を確認しておくことも重要です。あらかじめ確認しておけば、スムーズに対応できるでしょう。

 そして、気象庁は高潮注意報や高潮警報、また数十年に一度の台風や同程度の温帯低気圧により高潮になると予想される場合には「高潮特別警報」を発令しています。

※ ※ ※

 大切な愛車を浸水や冠水の被害から守るためには、雨風が強まる前にクルマの移動を考えることが重要です。風雨が強くなってからでは、帰宅までの徒歩移動が危険になる場合もあります。

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Writer: 加藤久美子

山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。

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