「オープンカー」は和製英語!? ホントの呼び名はなに?

よく聞く「コンバーチブル」や「タルガトップ」とは?

 主にアメリカから発生したとされる「コンバーチブル(Convertible)」の呼称は、その名が示すとおり、元来サルーンやクーペをベースとするオープン版を称したものとされている。

 また、イギリス車で「ツアラー(Tourer)」と呼ばれたオープンモデルたちも、このジャンルに属するといって良いものと思われる。

●ロードスター/カブリオレの資質を兼ね備えた現代的コンバーチブブル

コンバーチブル:ジャガー「EタイプOTS」
コンバーチブル:ジャガー「EタイプOTS」

 しかし1960年代以降は「カブリオレ」の対候性と「ロードスター」のスポーツ性を兼ね備えた、万能型のオープンカーという意味合いが強くなってきた。

 この流れを決定づけた名作のひとつが、ジャガー「Eタイプ」だろう。「XK150」までは、オープンモデルだけでも「ロードスター」と「ドロップヘッド・クーペ」の二枚看板としてきたが、1961年にデビューしたEタイプでは、ロードスターのごとくスタイリッシュなのに、巻き上げ式のサイドウインドウを持つことで快適性も追求されたコンバーチブル「OTS(Open Two Seater)」に統一。

 12気筒エンジンを搭載したシリーズIIIでは再び「ロードスター」表記となるが、その本質は変わらなかった。

 また、コンバーチブルの本場アメリカの代表選手、シボレー「コルベット」も同様のキャラクターとなっている。

 そしてこの現代的コンバーチブルの特質は、ユーノス/マツダ「ロードスター」やアルファロメオ「スパイダー」など、それぞれ異なる由来から発生したネーミングが与えられたモデルたちにも息づき、確実に現代のオープンカーにおける主流となっているのだ。

●取り外し式/可動式ハードトップを持つオープンモデル

電動ハードトップ:メルセデス・ベンツ「SLK」
電動ハードトップ:メルセデス・ベンツ「SLK」

 1970年代の初頭から、北米を中心に吹き荒れた安全問題の余波を受け、フルオープンカーはごく一部の例外を除いて一時的に衰退。代わって登場したのが、デタッチャブル(取り外し可能な)トップ、別名「タルガトップ」を持つセミオープン車である。

 この分野の先達であるポルシェ「911タルガ」が1967年に登場したのち、1960年代のフェラーリ製レーシングプロトタイプのイメージを投影した「ディーノ246GTS」などの名作が誕生し、大衆向けの小型スポーツカーでも、フィアット「X1/9」のようなヒット作が登場した。

 また1935年に登場したプジョー「401エクリプス」や1957年のフォード「スカイライナー」で採用された電動格納式ハードトップは、スペース効率の問題で一旦消滅するものの、画期的な折り畳み機構を持つメルセデス・ベンツ初代「SLK」やプジョー「206CC」の登場で再ブレイク。

 2000年代初頭には、スポーツカー以外のジャンルでもオープンカーの主流となった。

 その一方で、フェラーリ「575スーパーアメリカ」やルノー「ウインド」など、反転型の電動ルーフを持つユニークなオープンモデルも今世紀初頭に誕生したものの、残念ながらその後の採用例は見られないようだ。

【画像】「ロードスター」に「スパイダー」、「カブリオレ」「スピードスター」……って、どれがいったい正しい?(29枚)

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1件のコメント

  1. 「屋根が開く」って点に重きを置いたら、「ロードスター」「スピードスター」は違うなって…

    個人的には、オープン・カブリオレ・スパイダー・タルガトップが屋根の開く車の総称と思ってます

    イメージ的には
    オープン:ソフトトップ・ハードトップが可動、あるいは屋根すらない
    カブリオレ:ソフトトップ
    スパイダー:ソフトトップ・ハードトップが可動
    タルガトップ:金属やFRPの屋根の一部が取り外しできて、Bピラーは残る

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