高額でも売れる!? アルファード好調の裏にコロナ禍によるトヨタの販売戦略があった?

トヨタの高級ミニバン「アルファード」は、2020年夏も好調な販売台数を伸ばしています。その背景には、一体どんな要因が隠されているのでしょうか。

2020年5月に販売された特別仕様車も人気を集めている?

 前述のとおり、2020年5月に特別仕様車S“TYPE GOLD”が販売されていますが、このモデルの売れ行きについて、前出したトヨタ販売店は、次のように話します。

「特別仕様車は、アルファードユーザーに選ばれていた人気のオプションを盛り込んだモデルとなっています。

 はじめから必要なオプションがあらかじめ搭載されているため、後から追加するよりもリーズナブルです。

 さらに、パッケージ価格としても比較的お求めやすい価格設定となっていることから、多くのお客さまに好評をいただいています。

 ただし、なかには予算の関係でグレードに下げる人もいます。したがって、ある程度予算に余裕があるうえで、検討される人が多いのも事実です」

2020年5月1日に発売された特別仕様車「アルファード S“TYPE GOLD”」
2020年5月1日に発売された特別仕様車「アルファード S“TYPE GOLD”」

 S“TYPE GOLD”の価格は2WDのガソリン車(7人乗り)が約424万円、ベース車となるSグレードの2WDガソリン車(7人乗り)の価格が約309万5000円となっており、約34万円高となっているため、予算設定に余裕があることが大前提です。

 しかし、ひとつ上の上級グレードとなるSRグレードになると価格は526万円となり、S“TYPE GOLD”の価格と比較すると約102万円と価格差が非常に大きくなります。

 そのため、Sグレードにやや物足りなさを感じているものの、SRグレードでは予算的に手を出しづらい顧客によって、S“TYPE GOLD”はツボを抑えて満足感をアップさせたお得なモデルといえます。

 そんな顧客の満足度を満たすS“TYPE GOLD”は、どんなクルマに仕上げられているのでしょうか。

 S“TYPE GOLD”専用のエンブレムが装着されているほか、スモークメッキと黒メタリック塗装を施したフロントグリル、スモークメッキ加飾のボンネットフードモール、フロントバンパーモール、バックドアガーニッシュといった特別装備も採用されました。

 内装では、ハンドル部分に本革をあしらっているほか、シートの素材にはウルトラスウェードを採用。

 また、座席の両サイド部分には合皮タイプの生地もあしらわれており、室内の高級感は従来グレードより高くなっています。

※ ※ ※
 
 現行モデル登場から5年以上が経過する現在でも、アルファードはブランドが確立されていることや、コロナ禍におけるメーカーの販売戦略などにより好調を維持しています。

 かつてトヨタ「クラウン」でいわれた「いつかはクラウン」に代わる、「いつかはアルファード」と一部ユーザーからいわれるほど、憧れのクルマになっているといいます。

 今後、モデル末期ともいえる6年目以降でも堅調な販売台数を維持していけるのかに注目です。

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Writer: Peacock Blue K.K.

東京・渋谷を拠点とするオンライン・ニュース・エージェンシー。インターネット・ユーザーの興味関心をひくライトな記事を中心に、独自の取材ネットワークを活用した新車スクープ記事、ビジネスコラム、海外現地取材記事など、年間約5000本のコンテンツを配信中。2017年創業。

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