乗ってわかった TOYO TIRESの最新スタッドレス「オブザーブ・ギズツー」の進化とは
2020年7月14日に新しく誕生した乗用車用スタッドレスタイヤがTOYO TIRES「OBSERVE GIZ2(オブザーブ・ギズツー)」だ。13インチから18インチまで、45シリーズから80シリーズまで全23サイズを用意する新スタッドレスタイヤはどんな実力を持っているのだろうか。
ついに左右非対称パターンになった新オブザーブ・ギズツー
TOYO TIRESのオブザーブGIZ2(ギズツー)は、先代のオブザーブ・ガリットGIZから「アイス性能の進化」、「シャーベット性能の向上」、さらに「経年アイス性能維持」という3つの特徴を備えた。
トレッドパターンはついに左右非対称になった。メイングルーブ(主溝)は3本だが、センターを外して2本は内側寄り、1本を外側寄りにした新パターンを採用。センター付近の接地面積を増やし、しっかりコンタクトさせて応答性を高めハンドリング性能を引き上げている。
「吸着3Dサイプ」は、サイプの内側に空洞を設けている。これでブロック全体を均一に接地するように設計し、サイプの閉じ込みを抑えて吸水性を最大限に発揮させ、制動時にはエッジ効果を生み出すという。
左右のミディアムブロックは3連ブロックを採用した。この剛性の高さとエッジ効果でアイス/スノー路面で発進、制動という縦方向のグリップアップに貢献している。
トレッドコンパウンドはアイス性能に大きな影響を与えるが「吸着クルミゴム」を新開発した。
天然由来成分の「NEO吸水カーボニックセル」はタイヤと氷の間の水膜を吸水&除去する能力が高いので、アイスバーンでも滑りにくくなる。
同じく新開発したのは「持続性密着ゲル」で、これはコンパウンドを長年やわらかく保つ効果がある。ゴムの経年変化により2年後、3年後のアイス性能は低下するものだが、先代と比べてその性能低下は半分程度に抑えられている。さらなるメリットは路面との密着性を高め、鬼クルミ殻のひっかき効果も高めている。
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この20年のTOYO TIRESのスタッドレスタイヤの歴史を見てみよう。氷上性能の向上を目的として、トレッドパターンとトレッドコンパウンド(接地面のゴム質)を進化させてきた。
2000年に登場したオブザーブ・ガリット2、2003年のガリットG30、2006年のガリットG4では、トレッドパターンを一新。「360°スタッドレス」がキャッチフレーズになったのを覚えている読者も多いだろう。
2009年のガリットG5は、コンパウンドを大幅進化させ「吸着力」を強調した。2014年のオブザーブ・ガリットGIZは吸着力のコンパウンドに水膜を吸い取る新しいトレッドパターンを組み合わせた「吸着力+吸水力」をアピール。そして今回紹介するオブザーブGIZ2は2020年モデルとして「吸着力+吸水力+経年性能維持」が売りになっている。
こうしてモデル毎に性能を向上させているが、長年親しまれたガリットというネーミングが今回から消えた。
アイスバーンでの制動距離を比べると、前モデルより短くなり、ユーザーが冬道でより安心して走れるようになっている。
スタッドレスタイヤを購入するときに重視する性能は、雪道、アイス、シャーベット、経年アイス性能維持というアンケートから、単に冬道性能を向上させるだけでなく2シーズン目以降も性能が落ちないことを目指して開発されたものだ。
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