究極のスーパーカー「マクラーレンF1」後継ゴードン・マレー「T.50」の全容が明らかに

真のドライビングプレジャーに必要な「エンジン」とは?

 T.50の最大の特徴は、究極のドライビング体験にこそある。そして、それを実現するのは、中央のドライビングポジションにほかならない。

 キャビンからの視界を遮るものがない「ジェットファイター」スタイルのシートポジションは、シングルシーターのレースカーのレイアウトのような、純粋なドライビング体験をドラバーにもたらしてくれるのだ。

ゴードン・マレー氏がエンジンにこだわって開発した「T.50」
ゴードン・マレー氏がエンジンにこだわって開発した「T.50」

 ゴードン・マレー氏は、T.50のドライビングフィールについても、今回の発表で言及している。

「チタン製のスロットルペダルのファーストタッチから、V12エンジンを12100rpmで回すまで、ドライバーは、これまでに作られたどのスーパーカーをも凌駕する体験をするでしょう。

 これほどダイレクトで集中的に、パワー、瞬時の反応、ドライバーのフィードバックをパッケージ化しながら、毎日快適で洗練された使い勝手の良さを実現できるロードカーは他にはありません」

 さらに、ゴードン・マレー氏は、究極の感性豊かなドライビング体験には、エンジンの存在が少なくとも50%寄与するとしている。そのため、T.50では、エンジンに非常に重点が置かれている。

 カスタムメイドのコスワースGMAユニットは、世界最高の回転数、最速のレスポンス、最高のパワーウェイトレシオ、そして最軽量のロードゴーイングV12に仕上げられた。

 また、エンジンの「サウンド」、「操作感」、「見た目」についてもこだわりが貫かれている。

 マクラーレンF1で先駆けて開発され、T.50にも採用された「ダイレクトパス・インダクションサウンド」は、スロットによるインダクションのサウンドをキャビンに伝えるために改良されている。

 ドライバーの頭上には、コールドエア・ラム・インダクション・インテークが設置され、ルーフのカーボンファイバー・パネルがラウドスピーカーとして機能し、キャビン内のエンジンサウンドを増幅する仕組みだ。

 コックピット内にエルゴノミクスを考慮して配置されたすべてのアナログ・コントロールは、美しく、重量感あるものになっている。正確無比なステアリングホイールに加え、6速マニュアルトランスミッションなどがそうである。

 特に、マニュアルトランスミッションのHパターンのギアチェンジには、入念なテストがおこなわれ、究極のギアチェンジを実現。シフトの横には、ゴードン・マレー直筆サインが奢られるほどだ。

 また、昨今のカーボンファイバーやプラスチック製のエンジンカバーをゴードン・マレー氏は嫌うため、クルマのリア半分を覆うツインガルウイング式の開口部を開くと、カムカバー、プライマリーエキゾーストマニホールドなどとともにコスワースGMA V12エンジンを直接見ることが出来るようにしている。

* * *

 T.50の車両重量は986kgと、現代のスーパーカーのなかでは最軽量であり、平均的なスーパーカーの3分の1以下の重量を実現。この軽量化へのこだわりにより、他の追随を許さない俊敏性、応答性、ドライバーフォーカスを実現している。

 T.50は、エンジンを10000rpm以上回さなくとも、通常の走行速度でもまるで「生き物」でもあるかのような反応をみせる。また、ESPとトラクションコントロールを完全にオフにすることも可能である点も重要だ。

 さらにアクティブでインタラクティブなファンアシスト・エアロダイナミクスによる6つのエアロモードは、ドライブ体験を麻痺させるのではなく、むしろ向上させる効果を持っている。

 これまでのT.50の開発について、ゴードン・マレー氏は次のようにコメントしている。

「この1年半の間、T.50チームはこのクルマの達成しようとしていたことをすべて達成してきました。このクルマとチームにはこれ以上の幸せはありません」

 毎日の低速走行時にも、オープンロードでスリルを味わう時にも、ドライバーを常に楽しませてくれるのT.50は、マクラーレンF1がそうであったように、スーパーカーの新たな基準となることは間違いないだろう。

【画像】マクラーレン「F1」直系のゴードン・マレー「T.50」とは?(47枚)

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1件のコメント

  1. 世界初のファンカーでグランエフェクトスーパーカー!!

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