予算1000万円で買うフェラーリ「F355」は、「マニュアル」と「F1マチック」どっちがお得?
フェラーリのお膝元であるフィオラーノサーキットでは、当時の12気筒モデルのフラッグシップであった「512TR」よりも2秒も速いラップタイムを叩き出した「F355」。アナログとデジタルの移行期にあったF355は、「308」から続くリトルフェラーリの集大成ともいえるが、MTと当時最先端だったF1マチックでは、現在どちらが人気があるのだろうか。
前作「348」のビッグマイナーチェンジだった「F355」
今回紹介するのは、2020年7月31日に英国「シルバーストーン・サーキット」で開催されたオンライン・オークションに出品された、2台のフェラーリ「F355」だ。
F355といえば、エンジニアリングから判断するのならば、前作「348」シリーズからのマイナーチェンジに過ぎないというのが事実なのだが、その進化はあまりにも激しいものだった。
現在でもフェラーリは、シリーズ途中でおこなわれるビッグ・マイナーチェンジで、商品力を大幅に高めるという商品戦略を繰り返しているが、それはこのF355から始まったものだったとしても、あながち誤りではない。
F355は、生産時期によって3つのバリエーションに分けることができる。
1994年に誕生した最初のF355はこの年のみのモデルで、ボディはベルリネッタ(クーペ)とGTS(タルガトップ)の2タイプ。エアバッグの設定が後に実現したいことを除けば、F355の基本形は、すでにこの段階で完成していたともいえる。
1995年から1996年にかけて生産された中期型は、まず1995年に「スパイダー」、そして1996年に「チャレンジ」が追加設定されたことがラインナップでの話題である。さらに全車にエアバッグが装備され、助手席側にもスパイダーの登場と同時にエアバッグが標準装備化された。
1997年になると、後のフェラーリのセールスに大きな影響を与える「355F1」が誕生する。これはトルクコンバーターを使用したATではなく、クラッチやギアボックスの構造は通常のマニュアル仕様と同様で、そのコントロールをシフト用パドルからの指示で、油圧によっておこなうというものである。
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