なぜ関越道は首都高と直結していない? 接続計画が中断している訳とは
首都高からは、一般道やほかの高速道路を経由せずに、各方面へ向かう高速道路への接続が可能となっています。しかし唯一、関越道だけは直接乗ることができません。その理由や、都心から関越道へ向かうためのルートを紹介します。
当初は繋がる予定だったのにお蔵入りに…
東京とその周辺地域を結ぶ首都高速道路は、都心部をスムーズに移動するためだけでなく、地方へ続く各高速道路への接続という役割も担っています。
現在、東は東関東道や京葉道路、北は常磐道や東北道、西は中央道や東名などへ、一般道路や他線を経由せずに接続されています。
しかし、首都圏の主要高速道路で唯一、関越道だけは首都高と接続されていません。なぜ、関越道だけ接続されていないのでしょうか。
首都高速のホームページでは以下のように記載されています。
「首都高と関越道の接続については、国が首都圏の道路等の整備に関する事項を定めた『首都圏整備計画(平成18年9月 国土交通省)』において、中央環状線と関越道を結ぶ『高速練馬線』として、調査を推進する路線に位置づけられていますが、都市計画等の諸手続がまだ行われていません。計画の具体化については、今後、国や東京都によって検討されていくものと考えています」
首都圏整備計画とは、国土交通省による、東京都を中心とした首都圏の整備に関する総合的な計画です。
この計画において、首都高には練馬区から早稲田付近を繋ぐ「10号線」という計画がありました。その後、関越道の延伸に伴い、10号線は「練馬線」という名称に変更され、関越道に直結する計画に変更されます。
しかし、この計画が進んでいないため、いまのところ関越道のみ首都高と繋がっておらず、首都高から関越道へは、外環道を経由して大泉JCTから乗るか、一度一般道へ下りて練馬ICから乗るかしかありません。
なお、計画が中断しているおもな理由は、接続することで大渋滞が発生すると予測されたためといわれています。
また、現在は神奈川県茅ケ崎市から東京・埼玉・茨城・千葉を通る圏央道の存在も、関越道が首都高と直結しない理由として考えられているようです。
運送業者に勤める男性は以下のように話します。
「都内から出発するのではなく、都内を経由して関越道に向かいたいという場合は、そもそも首都高ではなく圏央道を利用することが多いです。単純な距離では大きな差は感じないものの、道がシンプルで渋滞が比較的少ないため、ストレスなく時間の見通しも立ちやすいです。
圏央道の開通が進むにつれて首都高は渋滞が緩和されているようなので、いまさら首都高と関越道を繋げる理由はないのではないかと思います」
圏央道は、東京都心から約40kmから60kmを環状に連絡する幹線道路です。2020年時点で、全長300kmのうちおよそ9割にあたる約270kmが開通しています。東名高速・中央道・関越道・東北道・常磐道・東関東道等の高速道路に接続しています。
NEXCO中日本によると、厚木IC~鶴ヶ島ICでは、圏央道の開通により首都高速経由より約50分の短縮が見込めるとしています。
また、同区間を行き来する場合、圏央道開通後は都心を経由するクルマが約9割から約2割に減少しているとのことです。
首都高速と比べると、圏央道は関東圏をより広範囲でカバーできるほか、渋滞の見込みも立てやすく、東京都内を通る理由がなければ圏央道を利用するほうがメリットがあるといえます。
圏央道によって都心部の渋滞が大幅に緩和されたことが、首都高と関越道の直結がお蔵入りする大きな要因となっていると考えられます。
首都高
外環道の「美女木ジャンクション」交差点には
には信号がある‼️