無理やり感が逆に面白い!? ユニークなクーペ3選
幻となった高級クーペSUVがあった!?
●ランドローバー「レンジローバーSVクーペ」
ランドローバーといえば、悪路走破性が高い高級車として「レンジローバー」を代表的な車種にラインナップしています。
なかでも1970年にデビューした初代は、質実剛健な4WD車として開発されましたが、後に高級路線へとシフト。日本でもバブル景気の頃は、高額なクルマながらヒットし、ランドローバーの名が一気に広まりました。
そして、現在もレンジローバーは、同社のフラッグシップとして君臨しています。
このレンジローバーの派生車が、2018年にスイスで開催されたジュネーブモーターショーで発表され、大いに話題となりました。
それが、世界初のフルサイズラグジュアリー2ドアSUVの「レンジローバーSVクーペ」です。
ボディはレンジローバーをベースにしていますが、ボディパネルのほとんどが新たに設計され、2ドア化されています。
外観デザインは、すべてのピラーをブラック塗装とする「フローティングルーフ」を採用。レンジローバーのイメージは残しつつも、リアに向かってなだらかに傾斜するルーフラインによって、クーペらしさが表現されました。
内装も特別に仕立てられており、前席と後席が異なる色でコーディネートされた4シーターで、明るい色と落ち着いた色で配色した4種類の2トーンカラーが用意されています。
また、コクピットはハンドルやインパネ、センターコンソールなどに本木目を採用したシンプルな造形ながら、高度なクラフトマンシップをアピール。
エンジンは最高出力565馬力を誇る5リッターV型8気筒スーパーチャージャーを搭載し、8速ATと組み合わされた4WDシステムを採用。0-100km/h加速5.3秒、最高速度266km/hを実現しています。
顧客のリクエストから特別な1台を生み出す同社の「スペシャル・ビークル・オペレーションズ(SVO)」部門によって、ハンドメイドで999台生産されることが決定していましたが、2019年に1台も販売されることなく発売中止を発表。具体的な理由については、明らかにされていません。
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一般的にクーペはスポーツカーやスペシャリティカーとして、カッコよさが際立つスタイルです。しかし、使い勝手という点ではミニバンやSUVに劣るため、近年は人気が低迷してしまいました。
かつては国産メーカーも数多くのクーペをラインナップしていましたが、いまでは撤退したメーカーもあります。
現行モデルのクーペは高額なモデルが主流で、欧米市場ではパーソナルカーとして一定の需要があるため消えることはありませんが、比較的廉価なモデルがほとんどなくなってしまった点は寂しいところです。