スーパーカー並の強心臓を移植!? 超ド級のエンジンを搭載したセダン5選
数百馬力を誇るエンジンを搭載するスーパーカーは、いかにも速そうな外観で、見る者を圧倒するオーラがあります。一方、まるでスーパーカーのようなスペックのエンジンを搭載したセダンも存在。そこで、超ド級のエンジンを搭載した高性能セダンを5車種ピックアップして紹介します。
大排気量で高出力なエンジンを搭載したスーパーセダンを振り返る
スーパーカーに代表される超高性能なモデルは、大排気量かつ大出力のエンジンを搭載し、さらに見た目も性能を誇示するかのように、いかにも速そうなフォルムとなっています。
一方で、スーパーカーに匹敵するようなスペックのエンジンを搭載したセダンも存在。
そこで、超ド級のエンジンを搭載した、往年の高性能セダンを5車種ピックアップして紹介します。
●メルセデス・ベンツ「AMG 300E 6.0」
現在、メルセデス・ベンツのブランドのひとつとなったメルセデス・AMGは、高性能なモデルを数多く輩出していますが、かつてはメルセデス・ベンツの市販車を高性能化するチューナーでした。
AMGがチューナーとして名を馳せたのは、大型セダンの「300SEL 6.3」をベースにAMGが仕立てたレース車両「AMGメルセデス 300SEL 6.8」がきっかけで、1971年の「スパ・フランコルシャン24時間レース」でクラス優勝を飾り、総合でも2位となることで、一躍脚光を浴びました。
その後、AMGはメルセデス・ベンツに認められ、公認のチューニングメーカーとなり、コンプリートカーを次々と発表。
なかでも1985年に発売された「AMG 300E 6.0」は、AMGならではの大排気量エンジンを搭載したスーパーセダンです。
ベースは「W124型」のEクラスで、メルセデス・ベンツがポルシェと共同開発した5リッターエンジンの高性能モデル「500E」がありましたが、AMG 300E 6.0はそれを上まわる、文字どおり6リッターV型8気筒エンジンを搭載。
最高出力は385馬力を発揮し、最高速度は306km/hに到達したといわれています。
外観も手が加えられており、ワイドフェンダー化され、ブラックアウトしたフロントグリルと小ぶりなリアスポイラー、AMG製アルミホイールを装着することが、当時のAMGモデルの特徴となっていました。
SクラスやSLの大排気量エンジンを、EクラスやCクラスに搭載する手法はAMG 300E 6.0によって確立され、以降は次々と同様なモデルが誕生。なお、AMG 300E 6.0は通称「ハンマー」と呼ばれました。
●アウディ「RS4」
アウディとポルシェがタッグを組んで、1994年に高性能なステーションワゴン「RS2アバント」を発売。
現在もアウディの高性能モデルとしてラインナップされているRSシリーズは、このRS2アバントから始まりました。
そして、ミドルクラスのモデル「A4」をベースにした高性能モデルが「RS4」です。
初代はRS2アバントの後継車として、1999年に誕生。RS2アバントと同じくステーションワゴンのみとされ、エンジンは385馬力を発揮する2.7リッターV型6気筒ツインターボを搭載。
初代RS4は2001年まで生産された後、後継車はありませんでしたが、2006年に2代目RS4が登場。ボディタイプはステーションワゴンに加え、セダンとカブリオレがラインナップされました。
搭載されたエンジンは4.2リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力420馬力を発揮。これほどの大排気量ながらレッドゾーンが8000rpmに設定される高回転型エンジンでした。
トランスミッションは6速MTのみとされ、駆動方式は4WDの「クワトロ」を採用。最高速度は250km/hのリミッターによって抑えられていましが、0-100km/h加速は4.8秒の俊足ぶりです。
外装はワイドフェンダーと低められた車高、専用デザインフロントバンパー・スポイラーが装着され、高性能モデルのオーラを放っていました。
なお、次世代の3代目、現行モデルの4代目は、再びステーションワゴンのみとなり、セダンがラインナップされたのは2代目だけです。
●BMW「M5」
BMWの高性能モデルはBMW M社によって開発され、車名に「M」が付きます。そのなかでも「M2」や「M6」と、Mに続く数字が一桁のモデルは、「Mハイパフォーマンスモデル」と呼ばれる高性能車のシリーズです。
このMハイパフォーマンスモデルが日本でも知られるきっかけとなったのが、1985年に発売された初代「M3」で、レースで勝つことを目的に開発されました。
そして、ミドルクラスのMハイパフォーマンスモデルとして、5シリーズでは2代目のE28型から「M5」が登場し、なかでもシリーズで唯一となる超高性能な自然吸気エンジンだったのが、2004年に発売されたE60型の4代目M5です。
搭載されたエンジンは5リッターV型10気筒で、最高出力は507馬力を発揮。当時、F1にエンジンを供給していたBMWのテクノロジーが投入され、レッドゾーンは8500rpmに設定されていました。
組み合わされるトランスミッションは7速SMG(AMT)で、最高速度は250km/hでリミッターが作動。
外観は前後ワイドフェンダーとされ、フロントフェンダーにはスリット付きのエアアウトレットが開き、専用デザインの前後バンパー、そして高音質なエキゾーストノートを奏でる左右4本出しのマフラーが特徴です。
足まわりでは電子制御ダンパーが採用されており、サスペンションのモードは「コンフォート/ノーマル/スポーツ」が選択でき、ハイパフォーマンスでありながら快適性が損なわれておらず、普段使いもまったく問題なくこなせるスーパーセダンとなっていました。
23,000馬力を超えないとちょうど 超ド級とはいえない。