スーパーカー並の強心臓を移植!? 超ド級のエンジンを搭載したセダン5選
サーキット走行もこなす日米のハイパフォーマンスセダンとは
●レクサス「GS F」
1991年に発売されたトヨタ初代「アリスト」は、後に「スープラ」にも設定されたハイパワーな3リッター直列6気筒ツインターボエンジン搭載したハイパフォーマンスセダンとして人気となったモデルです。
アリストは北米でもレクサス「GS」として販売され、2005年に日本でレクサスブランドの展開が始まると、GSはLSとISと並んで、レクサスの中核を担いました。
そして、2012年に2代目GS(北米では4代目)が登場。2015年のマイナーチェンジで、ハイパフォーマンスモデルの「GS F」が追加されました。
GS Fに搭載されたエンジンは、現行モデルの「LC500」や「RC F」にも採用されている5リッターV型8気筒自然吸気で、最高出力は477馬力を発揮。
この大パワーを後輪だけで路面に伝えるため、シャシの剛性アップとサスペンションやブレーキも大幅に強化。
トランスミッションは、2速以上のほぼ全域をロックアップすることでダイレクトなフィーリングを実現する8速ATを搭載。ハンドルにパドルシフトを装備し、DCTに匹敵する最短0.1秒の変速速度を誇ります。
外装にはカーボンファイバー製のエアロパーツが装着され、軽量化と空力性能が高められており、見た目もベース車とは明らかに異なるオーラを発しています。
GS Fは他の「Fシリーズ」と同様に一般道でのジェントルな走りとサーキット走行にも対応できるハイパフォーマンスセダンとなっていました。
しかし、トヨタは2020年8月をもってGSシリーズの生産を終了すると発表。GS Fもすでに受注を終了しています。
●キャデラック「CTS-V」
アメリカを代表する高級車ブランドといえばキャデラックですが、2003年に発売された「CTS」は、それまでのラグジュアリー路線ではなく、ドイツのニュルブルクリンクで鍛えられた足まわりや、5速MTも設定されるなど、スポーティなミドルクラスセダンとして登場。
2004年には当時のシボレー「コルベット」から移植された最高出力400馬力の5.7リッターV型8気筒OHVエンジンを搭載する「CTS-V」が追加されます。
さらに、2008年には2代目CTSをベースに、6.2リッターV型8気筒OHVスーパーチャージャー付きエンジンを搭載したCTS-Vがデビュー。
最高出力は649馬力を発揮し、トランスミッションは8速ATに加え6速MTが設定され、0-60mph(約96.5km/h)加速は3.7秒(AT)と、2トン近い車重ながらとてつもない加速力を発揮しています。
また、ブレンボ製ブレーキシステム、電子制御式LSD、減衰力をアクティブ制御するショックアブソーバーなども採用され、日常からサーキット走行までこなす実力を持っています。
外観では「Vシリーズ」の特徴であるメッシュ状のフロントグリル、カーボンファイバー製ボンネット、リアスポイラーなどを装備することで、ハイパフォーマンスさをアピール。
残念ながらCTSは2019年に生産を終了し、後継車は「CT5」で、高性能な「CT5-V」がラインナップされていますが、エンジンは360馬力の3リッターV型6気筒ツインターボにダウンサイジングされました。
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現在、欧州セダンの高性能化はさらに進んでおり、たとえば最新モデルのBMW「M5コンペティション」は625馬力を発揮し、メルセデスAMGの「E63 S 4MATIC+」は612馬力を誇ります。
これほどの性能を発揮できる道路が世界中にどれだけあるかは疑問で、もちろん日本の公道ではフルに発揮するのは不可能です。
しかし、加速感は麻薬のようなもので、もっと刺激的なフィーリングを求める層が存在するため、高性能化はさらに進むことでしょう。
23,000馬力を超えないとちょうど 超ド級とはいえない。