新型ハリアーの影響はある? マツダ「CX-5」は突き進む孤高の強みとは

元祖ラグジュアリーSUVとして登場したトヨタ「ハリアー」は、2020年6月にフルモデルチェンジしました。同じくラグジュアリーSUVとして知られるマツダ「CX-5」の販売に影響はないのでしょうか。

ラグジュアリーSUVでも強みは異なる2台?

 2012年に登場したマツダ「CX-5」は国内で高い評価を受けるラグジュアリーなテイストを持つクロスオーバーSUVですが、2020年6月17日に同じ元祖ラグジュアリーSUVと称されるトヨタ新型「ハリアー」がフルモデルチェンジしました。販売現場では新型ハリアー登場による影響はあるのでしょうか。

後発SUVとは異なる強みを持つマツダ「CX-5」
後発SUVとは異なる強みを持つマツダ「CX-5」

 2012年に登場した初代CX-5は、現在マツダのキーデザインとなる「魂動デザイン」を最初に採用したモデルとして販売され、世界中で高い評価を受けました。

 2017年に現行型となる2代目にフルモデルチェンジをおこない、2020年上半期(1月から6月)では全体で29位となる1万2655台を販売しています。

 一方で、新型ハリアーは、2020年6月に新型へとフルモデルチェンジし、販売台数はCX-5を上回る全体28位の1万3770台を記録。ここにカウントされているのはほとんどがモデル末期となる先代ハリアーであるため、CX-5にとってはいかに強力なライバルであるかがわかります。

 CX-5とハリアーでは、ボディサイズはCX-5が全長4545mm×全幅1840mm×全高1690mmに対して、ハリアーは全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmと、同じミドルサイズSUVです。

 パワートレインは、CX-5が2リッター/2.5リッター/2.5リッターターボという3つのガソリン車と、2.2リッターのディーゼル車を設定。新型ハリアーは2リッターのガソリン車と2.5リッター+モーターのハイブリッド車を設定し、先代ハリアーにあった2リッターターボ車は廃止されています。

 価格面では、CX-5(ガソリン車)のエントリーグレードが261万8000円に対し、新型ハリアー(ガソリン車)は299万円という設定です。

 一見、同じようなラグジュアリーなデザインや内装を特徴としていることから、CX-5にとって新型ハリアーの登場は大きな影響があるように思われますが、販売現場の見解は少々異なるようです。

 マツダ販売店のスタッフは以下のように話します。

「ハリアーの登場によってCX-5の売上に影響がでることは、少なくとも当店ではありません。

 CX-5は、長距離移動での燃費に優れたディーゼル車が人気のため、長距離移動の多いお客さまからの引き合いが強いです。

 一方、新型ハリアーにも設定されているハイブリッド車は、どちらかというと市街地走行でメリットを発揮することから、お客さまの志向そのものが異なります。そのため、他メーカーのハイブリッド車種との比較も少ない印象です」

※ ※ ※

 前出の販売店スタッフは、CX-5の強みについて「カタログ燃費以上に実燃費が良い」部分にあるといいます。

 カタログに表記される燃費は、これまでJC08モードという表記が用いられていました。現在では、より実際の使用状況に近い数値となるWLTCモードに代わりつつありますが、それでも実燃費と大きくへだたりが出てしまうのが実情です。

 販売店では、カタログ燃費はあくまで参考値であり、実燃費は実際の走行状況によって大きく左右されるということを伝えているといいますが、それでもカタログ燃費と実燃費の乖離にネガティブな反応を示すユーザーは少なくありません。

 しかし、CX-5はそこに勝機があると考えているようです。前出のマツダ販売店は次のように語ります。

「CX-5のディーゼル車は、カタログ燃費以上に実燃費が良いとお客さまから好評いただいています。実際にお客さまには長距離走行でカタログ燃費を上回る数値を記録する人もいらっしゃいます」

※ ※ ※

 一方のハイブリッド車は、カタログ燃費は優れていても、実燃費は実際の走行環境に大きく左右されることから、結果としてカタログ燃費より悪い数値となることも少なくありません。

 このようなこともあり、近年の新型モデルにはガソリン車とハイブリッド車が設定されますが、CX-5にはガソリン車とディーゼル車という独自のラインナップを持つことで堅調な販売を維持しているのです。

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