中古価格は新車時以上!? 最終進化形「ランエボX」はどんなクルマだったのか
最終モデル「ランエボX」は、およそ8年間進化を続けた
いままでのランエボシリーズがすべて限定モデルだったのに対し、最終モデル「ランエボX」は発売当初からカタログモデルとして登場したのが特徴となる。
「誰もが気持ちよく、安心して『高い次元の走り』を楽しめる新世代ハイパフォーマンス4WDセダン」を商品コンセプトとして、2007年10月に登場したのがランエボXだ。
280馬力/422Nmを発生する4B11型2リッターターボエンジンを搭載、車両運動統合制御システム「S-AWC」や高効率の2ペダルトランスミッション「ツインクラッチSST(6速DCT)」などを用意した。車両価格は299万7750円(消費税込、以下同)から349万5450円だった。
発売から1年後、2008年10月には最初のマイナーチェンジをおこなっている。レカロ社製レザーシートやビルシュタイン社製ショックアブソーバー、BBS社製アルミホイール、HDDナビなどを標準装備したプレミアムグレード「GSRプレミアム」(5速MTモデルは479万8500円、6速DCTモデルは505万500円)を設定した。
ここから、ほぼ1年に1度、ランエボXは年次改良をおこなっていく。
2009年10月の一部改良では、新形状の大型サイドエアダムやカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイ、クルーズコントロールを採用。車両価格は315万円から507万1500円だった。
2010年10月の一部改良では、エンジン点火時期や燃料マップなどのエンジン制御を見直すことで、加速レスポンスの向上と燃費向上を実現。さらに6速DCT車の制御を見直すことで変速レスポンスの向上や減速時のスキップシフトを可能にした。車両価格は315万円から522万9000円となった。
2011年10月の一部改良では、走行中にアクセルペダルとブレーキペダルを同時に踏んだ場合、ブレーキを優先する「ブレーキオーバーライド制御」を採用、またインパネからドアトリムに至るアクセントパネルの素材を変更、上質感の高い室内になった。車両価格は315万円から525万円だった。
2012年10月の一部改良では、「GSR」と「GSR-Premium」のボディカラー展開を見直し、コズミックブルーマイカ、ホワイトパール(有料色)、クールシルバーメタリック、ファントムブラックパール、レッドメタリックの5色展開。車両価格は変わらず、315万円から525万円となる。
2014年7月の一部改良では、ウインカー付きドアミラーに変更、さらにボディカラー展開を見直し、コズミックブルーマイカから鮮やかなライトニングブルーマイカに変更。このタイミングで、競技用モデル「RS」と6速DCTモデルの2014年度内での生産終了が発表され、同時に5速MTモデルは継続販売との発表もあった。
そして2015年4月、特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」の先行予約が受付開始される。
これは、1992年の初代ランエボ発売から約23年にわたる歴史の最後を飾る特別仕様車で、ランエボX「GSR」の5速MTモデルをベースにBBS社製18インチ鍛造アルミホイールを装備、内装ではレカロ社製レザーコンビネーションシートなどを標準装着していた。
車両価格は429万8400円。販売台数は1000台限定だった。
この特別仕様車が完売したのが2015年8月20日。2016年3月までに納車が終了した。
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このファイナルエディションのエンジンスペックは、313馬力/429Nm。パワーウエイトレシオは4.88kg/馬力という軽量ハイパワーのスポーツモデルだった。
2007年の登場からすでに12年が経ったランエボXだが、生産終了から5年、いまでも現役で全日本ラリーや全日本ジムカーナなどで活躍している。
また中古市場でも人気を誇り、車両価格は高値安定。低走行で程度の良い中古車では500万円を超えるものもあるなど、当時の新車価格よりも高い値段で取引されることも多いという。
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