路線バスは信号操作が可能!? なぜ時間通りに運行? 世界も驚く日本の交通事情とは
PTPS以外にもある、交通管理システムとは?
先述のPTPSは、政府による「高度道路交通システム(ITS)」の1種であるうえ、「進行通関システム(UTMS)」のサブシステムのひとつに過ぎません。
UTMSのメインシステムは「高度交通管制システム(ITCS)」となり、そこにはPTPSをはじめ、さまざまなシステムが組み込まれています。
では、路線バスのためのPTPS以外には、どのような渋滞緩和システムがあるのでしょうか。
まず、「信号情報活用運転システム(TSPS)」は、信号灯火の情報を事前にドライバーに知らせるシステムです。
事前に赤信号に変わるタイミングを把握することで、急ブレーキを踏むリスクを軽減できます。また、青信号になるタイミングを伝えることで、急発進を抑制する効果も期待されています。

次に、「歩行者等支援情報通信システム(PICS)」は、歩行者に道路状況を知らせるシステムです。高齢者や障がい者などの人たちに、交差点の名称や信号情報を知らせることで、交通事故の抑制につながっています。
2019年度からは「高度化PICS」と呼ばれる、Bluetoothを介してスマートフォンに歩行者用の信号情報を送信するシステムも実用化が始まっています。
高度化PICSを利用することで、スマホ側の操作で青信号の延長も可能です。また、「安全交通支援システム(DSSS)」も交通事故抑制に大きく貢献しています。
運転者にとって死角になる交差点などの周辺状況を「視覚情報」「聴覚情報」で配信するによって事故を抑制しています。
さらに、「現場急行支援システム(FAST)」と呼ばれる、緊急車両向けの交通システムも存在します。
救急車・消防車等の緊急車両に対してスムーズに事故現場に到着できる経路の情報を提供するだけでなく、優先信号の制御をおこなうシステムも併せて搭載しています。
FASTによって「現場急行の時間短縮」および「緊急走行による交通事故防止」が期待されています。
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これらのように、すでに多くの交通システムによって日常生活の利便性は大きく上昇しています。
今までは、「偶然」の要素が強かった道路状況も、今後はすべてが計算の上に成り立つ「必然」のものになっていくのではないでしょうか。
すごい時代になったな パスが自由に運行できる