外はひかえめだけど中身がスゴい!? ハズし方が絶妙な高性能モデル5選
プレミアムブランドでも主張が控えめな高性能モデルがあった!?
●アウディ「RS2アバント」
アウディとポルシェは1970年代から緊密な関係にあり、技術的な交流が盛んにおこなわれてきました。そして1994年に、アウディはポルシェとコラボレートしたステーションワゴン「RS2アバント」を発売。
開発工程の多くをポルシェが担当し、生産もポルシェの工場でおこなわれました。
現在もRSシリーズは、アウディのラインナップのなかで特別に高性能なモデルとして展開されていますが、RS2アバントがシリーズ初のモデルです。
ベースになったのは「A4アバント」の前身にあたる「80アバント」で、セダンは設定されていません。
最高出力315馬力を誇る2.2リッター直列5気筒ターボエンジンを搭載し、トランスミッションは6速MTのみとされ、駆動方式はフルタイム4WDシステム「クワトロ」を採用。0-100km/h加速4.8秒、最高速度は260km/hに達する、まさにスーパーワゴンに仕立てられました。
外観では派手なエアロパーツなど無く、当時のポルシェ「911」と同じデザインのドアミラーやホイールと、フロントバンパーにあるターンシグナルとフォグランプが装着され、「PORSCHE」のロゴが刻まれたブレンボ製ブレーキキャリパーを装備するなど、随所に高性能さをうかがわせるアイテムを装着。
なお、RS2アバントは日本に正規輸入されませんでしたが、わずかな台数が並行輸入されており、ごくまれに中古車が市場に出ることがあります。
●メルセデス・ベンツ「500E」
1991年に発売されたメルセデス・ベンツ「500E」(後にE500に改名)は、Eクラスセダンにスポーツモデルの「500SL」のエンジンを移植した特別なモデルです。
Eクラスに500SLのV型8気筒エンジンを搭載するためにフロアパネルが変更され、トランスミッションや前後のサスペンション、ステアリングギアボックスなども、500SLのものが搭載されました。
ボディは前後のトレッドを拡大したことでワイド化されたフェンダーと、専用デザインのバンパーが装着されている以外は、派手な演出はありません。
しかし、330馬力を発揮する5リッターV型8気筒エンジンによって、0-400m発進加速タイムは14.8秒、最高速度は250km/hと、まさにスーパーセダンといえる性能を誇っています。
前出のRS2アバントと同様に開発はポルシェが担当し、なかでも初期モデルはポルシェの工場で作られたことから日本で人気が高まり、バブル景気という背景もあって、高額ながら日本には正規輸入車だけでなく数多くの並行輸入車も上陸。
現在はネオクラシックブームの影響から世界的に価格が高騰し、日本の中古車市場でも高額な価格で取り引きされています。
※ ※ ※
昔は控えめな外観のクルマに、高性能なエンジンや足まわりを搭載したモデルを「羊の皮を被った狼」と呼んでいましたが、今回紹介した車種は、少なくとも「羊」と呼べるほどおとなしい外観ではありません。
控えめながらそれなりに主張しており、クルマに詳しい人からすれば、すぐに高性能車とわかります。
しかし、現在はもっと「わかりやすい」モデルが好まれるためか、こうしたモデルは少なくなってしまいました。
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