新型コロナは関係ない? 世界のモーターショーが「オワコン化」しつつある理由とは

2020年3月におこなわれる予定だったジュネーブモーターショーは開催中止、4月開催予定だったニューヨークモーターショー2020もいちど8月に延期になったものの結局は中止と、2020年の国際モーターショーは開催の目処がたっていない。そもそもここ数年、世界の名だたるモーターショーが、来場者数や出展社数の減少など苦戦を強いられている。モーターショーは「オワコン(終わったコンテンツ)」化してしまったのか。考えてみた。

コロナ禍より以前からモーターショーは存在感を失いつつある

「新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、2020年の国際モーターショーは、ほぼ全滅だろう」というのが、自動車メディア界に属する人間の共通認識といえる。

 屋内会場にぎゅうぎゅうに人が集まり、展示車を誰もがベタベタと触りまくる。そして、説明員や同行者とクルマを前に大騒ぎ。そんな三密を絵にかいたようなイベントだからこそ、2020年に世界各地で開催される予定だったモーターショーのほとんどは、中止となるか延期となっている。

 さらに来年2021年3月に開催される予定だったジュネーブモーターショーも中止すると、2020年6月29日に主催財団から発表された。これは2020年のショーの中止により、主催財団の財務状況が悪化したためという。

2019年に開催されたフランクフルトモーターショー(IAA)、フォルクスワーゲンブースの様子
2019年に開催されたフランクフルトモーターショー(IAA)、フォルクスワーゲンブースの様子

 しかし、新型コロナウイルス感染拡大の騒動がなくても、じつのところモーターショーはかつての存在感を失いつつある。「すでにオワコン(終わったコンテンツ)」という言いかたをする人もいるほどだ。

 その兆候は2年ほどから、チラチラと見え始めた。フランクフルトやパリといったインターナショナル格式のモーターショーに欠席するブランドが出始めたのだ。

 最初はひとつ、ふたつといったものであったが、2019年になって一気に顕在化し、フランクフルトにはフランス系メーカーのほとんどが欠席。東京モーターショーにも欧米ブランドのほとんどが参加を見送った。

 それ以外でもデトロイトやパリといった、かつて世界3大モーターショーなどといわれた有名モーターショーのほとんどが、参加メーカーの減少による規模縮小という状況に陥っているのだ。

 そうした状況の理由で大きいのが、インターネットの普及だろう。

 国際格式のモーターショーは「メディアを通して世界へ発信する」という側面がある。新型車を発表するのに、それだけのために世界中の記者を集めるより、モーターショーにやってくる記者を相手にした方が効率は良い。それが、これまで国際格式のモーターショーがもてはやされた理由だろう。

1967年開催の第14回東京モーターショー。この頃のモーターショーは華やかだった。写真ではトヨタ2000GTなどの展示が見られる。来場者数は140万2500人
1967年開催の第14回東京モーターショー。この頃のモーターショーは華やかだった。写真ではトヨタ2000GTなどの展示が見られる。来場者数は140万2500人

 しかし、今日のようにインターネットが普及してしまえば話が変わる。イベントと関係なく、自前でインターネットを通じて発表しても、それほど変わらないと判断するメーカーも現れてきたのだ。

 たとえば、フォルクスワーゲンの8代目となる新型ゴルフは、2019フランクフルトモーターショー開催のわずか1か月ほど後に発表されている。まるで、わざわざタイミングをズラしたかのようだ。

【画像】モーターショー復権のカギは? 過去のショーを見る(18枚)

【2023年最新】自動車保険満足度ランキングを見る

画像ギャラリー

1 2

新車不足で人気沸騰! 欲しい車を中古車でさがす ≫

【NEW】自動車カタログでスペック情報を見る!

最新記事

コメント

本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。

メーカーからクルマをさがす

国産自動車メーカー

輸入自動車メーカー