時代に逆行したけど正解だった!? ボディをダウンサイジングした車5選
近年はエンジンの排気量をダウンする「ダウンサイジング」が広く普及していますが、一部の車種ではフルモデルチェンジでボディを小型化したモデルが存在。そこで、ボディをサイズダウンして成功につながったモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
デカけりゃいいってもんじゃない! ボディサイズが小さくなったクルマを振り返る
エンジンの排気量をダウンしてターボを装着することで、燃費の向上を狙った「ダウンサイジングターボ」は、2000年代の初頭から欧州車を中心に広まっていきました。
いまでは国産車にも普及し、とくに2リッター以上の自然吸気エンジンはダウンサイジングターボへと、置き換わりつつあります。
一方で、ボディサイズは年々拡大傾向にありますが、過去にはボディがダウンサイジングされたモデルも存在。
そこで、ボディを小型化して成功につながったモデルを、5車種ピックアップして紹介します。
●日産「スカイライン」
1957年に誕生したプリンス初代「スカイライン」は、先進的なメカニズムを採用するセダンとして開発され、2代目はレースで活躍することで、スポーティなイメージが定着します。
3代目以降は日産ブランドに変わりますが、スポーティ路線を継承して代を重ね、1989年に発売された8代目では大胆なボディのサイズダウンがおこなわれました。
1985年に登場した7代目は直線基調のデザインのボディで、当時人気のあった「ハイソカー」を意識し、全長4650mm×全幅1690mm×全高1385mm(GTS:4ドアセダン)と、全幅は5ナンバー枠に収まっていたものの全長はシリーズ最長でした。
そして8代目では、丸みを帯びたボリューム感のあるデザインに変更されたのと同時に、全長4580mm×全幅1695mm×全高1340mm(GTS:4ドアセダン)と、全長を70mmダウン。
運動性能を重視して小型化したことで「スカイラインらしさへ回帰した」と評され、16年ぶりに復活した「GT-R」もイメージアップにつながったこともあり、一躍人気車となります。
しかし、次世代の9代目ではひとまわり大きくなって、さらに10代目でまた小さくなるなど、混迷した状況が続きました。
●マツダ「ロードスター」
1989年に発売されたマツダ(ユーノス)「ロードスター」は、オープン2シータースポーツの人気を再燃させるなど、世界中のメーカーに影響を与えた偉大なクルマです。
決してパワフルとはいえない1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載していましたが、軽量な車体と相まって、コンセプトである人馬一体を具現化していました。
その後、代を重ねるたびに排気量が拡大し、2リッターエンジンが搭載された3代目では、170馬力の出力を受け止めつつ高いコーナーリング性能を発揮するため、3ナンバーサイズのワイドボディとなり、サイズは全長4020mm×全幅1720mm×全高1255mmでした。
そこでマツダはロードスターの原点回帰を図るため、4代目ではエンジンを1.5リッター直列4気筒とし、ボディサイズも全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとワイド化しつつも全長を105mmも短くしました。
また、ボディ各部にアルミや超高張力鋼板を使ったことで3代目よりも100kgもの軽量化をおこない、最軽量グレードでは990kgと1トン未満の車重を達成。
高い旋回性能を発揮し、初代ロードスターに近い軽快なドライブフィールを取り戻しました。
●日産「シルビア」
日産を代表する小型スペシャリティクーペである日産「シルビア」は、1988年に発売された5代目が大ヒットしました
コンパクトな5ナンバーサイズのボディに、ハイパワーなエンジンを搭載したFR車として、スポーツドライブ好きから高い支持を得ました。さらにスタイリッシュな外観デザインは女性人気も獲得し、デートカーとしても好評でした。
その後エンジンは1.8リッターから2リッターに拡大され、6代目ではボディサイズを全長4520mm×全幅1730mm×全高1295mmに拡大。当時、流行していた3ナンバーサイズとなりました。
しかし大型化されたボディは軽快感が失われたと不評で、5代目ほどの人気を獲得できず、販売は低迷。そこで、1999年に発売された7代目は、全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mmとサイズダウンし、5ナンバーサイズに戻されました。
車両重量も1270kgから1250kgに軽量化され、エンジンは2リッター直列4気筒ターボのままでしたが、最高出力を220馬力から250馬力と向上し、新たに採用された6速MTと相まって走りもワンランクアップします。
しかし、7代目シルビアは排出ガス規制強化の影響で、わずか3年7か月で生産を終了してしまい、シルビアの歴史も幕を閉じました。
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