皇室御用達の激レアモデルや意外なセダンもあり!? 珍しい国産高級車5選
日本の自動車カテゴリーのなかで、高級車というと高額で大型のセダンというイメージがありますが、かつてはさまざまなバリエーションが存在。そこで、いまでは見られなくなってしまったユニークな国産高級車を、5車種ピックアップして紹介します。
いまでは見られない!? ひと味違った高級車を振り返る
100年以上続いている日本の自動車史のなかで、初の量産高級車は1955年に登場したトヨペット「クラウン」といわれています。
そこから現代まで、各メーカーからさまざまな高級車が世に出ましたが、なかには一風変わったモデルも存在。
そこで、いまでは見られなくなってしまったユニークな国産高級車を、5車種ピックアップして紹介します。
●三菱「ディグニティ/プラウディア」
三菱のユニークなセダンというと「デボネア」が有名ですが、マイナーなセダンとして君臨しているのが「ディグニティ」と「プラウディア」です。
初代は2000年に発売され、ディグニティがリムジン、プラウディアが高級パーソナルセダンと位置付けられていました。
搭載されたエンジンは4.5リッターV型8気筒と3.5リッターV型6気筒の2種類で、ディグニティは4.5リッターのみです。
両モデルの多くは三菱や関連会社の重役用として販売され、一般のユーザーが購入したケースは極めて少なかったといいます。
そのため、わずか1年ほどで生産を終了。2012年に復活しますが、日産「シーマ」と「フーガ」のOEM車でした。
ディグニティは宮家の公用車としても採用されたことから、非常にレアなクルマにも関わらず、テレビ報道などで見たことがある人は多いのではないでしょうか。
●マツダ「センティア/MS-9」
日本が好景気にわいていた1980年代の後半に、マツダは販売チャネルを5つまで増やし、ラインナップを一気に拡充する戦略を進めていました。
そして、1991年に登場したプレステージセダンがマツダ「センティア」と、兄弟車のアンフィニ「MS-9」です。
センティアは全長4925mm×全幅1795mm×全高1380mm、ホイールベース2850mmと、当時のクラウンを上まわる堂々たるサイズのFRセダン。
外装はボリューム感のある曲面で構成され、伸びやかで優雅なフォルムを実現しています。
ライバルの日産「シーマ」やトヨタ「セルシオ」と比べても見劣りすることはなく、フラッグシップセダンにふさわしいデザインは、海外の工業デザイナーからも高く評価されました。
エンジンは新開発の2.5リッター、もしくは3リッターV型6気筒を搭載。組み合わされるトランスミッションはファジー制御のオートクルーズ機構と協調する4速ATのみです。
その後1993年に、バブルの崩壊によって業績が悪化したマツダはフォード傘下に入り、車種の大幅な整理を始めたことでMS-9の販売を終了。
1995年にボディをダウンサイジングした2代目センティアが発売されますが、販売は苦戦し、2000年に生産を終了。
マツダがFRの高級車をつくっていたのは、もはや記憶している人も少ないのではないでしょうか。
●日産「セドリック ロイヤルリムジン」
かつて、日産の高級車ラインナップは、「プレジデント」を頂点とし、「シーマ」、「セドリック/グロリア」で構成されていました。
プレジデントは運転手がハンドルを握るショーファードリブンカーで、シーマとセドリック/グロリアは基本的にオーナーが運転するパーソナルセダンでしたが、7代目セドリックにはショーファードリブンカーが存在。
それは、オーテックジャパンが7代目セドリックをベースにカスタマイズした「セドリック ロイヤルリムジン」です。
セドリック ロイヤルリムジンは、すでにバブル景気が始まっていた1987年に発売され、ベース車のシャシを切って600mm伸ばしてつなぎ直す手法で製造されました。
リアシートの足元は広大なスペースを実現し、前席と後席を隔離するパーテーションがある仕様では、後席専用のテレビやオーディオセットなどを装備。
外観では長くなった分のBピラーに小窓が設けられ、セドリック ロイヤルリムジンのフロントグリルが装着されています。
価格は1000万円からで、生産台数は明らかになっていませんが、法人の需要がほとんどだったようです。
なお、ホイールベースを150mm延長した「セドリック ブロアムL」というモデルもあり、1996年に発売されました。
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