90年代人気車の盗難急増!? GT-Rだけでなく「マークII」なども危ない!? 狙われる理由とは
1990年代の人気車オーナーが注意すべきことは
ここで注目したいのは、100系のチェイサーやマークIIなどのセダン系車種の盗難が増えていることです。
実際、アメリカでのチェイサーやマークIIの人気はいかほどでしょうか。
JDMを海外に輸出している業者「Pinku Style」(青森県三沢市)を経営するドナルド・ジャクソン氏に聞いてみました。ドナルド氏は、日本でプロのドリフトドライバーとしても活躍しています。
「2024年に解禁となるR34型スカイラインはすでに価格が高騰し、争奪戦が繰り広げられています。このほか、直近では2021年に25年ルールで解禁となる100系チェイサーです。
JZX100系チェイサーは、ドリフトだけでなくクルージングにも使用できる4ドア車であり、ターボ付きのパワフルなエンジンで、FRであることでも非常に人気がありますが、なんといってもスタイルがカッコいいですね。
なお、JZX90系になると人気順は、マークII、チェイサー、『クレスタ』(3台はそれぞれ兄弟車)になります。90系マークIIは、前後のライトの形がアグレッシブでカッコいいです」
R34型スカイラインはもちろんのこと、90系マークII、100系チェイサーをお持ちの人は、盗難に十分注意してください。
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窃盗団はグーグルストリートビューなどを使って、「獲物」となるクルマとその場所を探しています。
また、ユーザーイベントや大黒PAなどで獲物を探すことも珍しくありません。このとき、ボンネットを開けたままでクルマから離れることはやめましょう。車体番号とナンバーで所有者の住所などがわかることから、車体番号を盗撮される恐れがあります。
なお、セキュリティ強化も重要ですが、ハンドルロックどころか、ハンドルを外していても5分で盗まれたクルマもあります。
プロの窃盗団は、狙った獲物はどんな手段を使ってでも盗んでいくので、セキュリティを強化する場合は、複数の装備をつけること、信頼できる専門店でセキュリティを組んでもらうことをお勧めします。
また、車体番号やエンジン番号、ミッション番号など、クルマに固有の番号は写真に撮っておくことをお勧めします。
解体されると多くの車種で車体番号がわからなくなるので、その場合はエンジン番号がもっとも有効になってきます。
盗難された後で調べることはとても大変で、ディーラーで教えてもらえる場合もありますが、警察を通さないと教えてもらえないメーカーもあります。
結局、エンジン番号を入手できず、泣き寝入りになるケースも実際には発生しています。
さらに、車両保険に入っておくこともおススメします。通販型の自動車保険は古いクルマ(車齢15年以上など保険会社によって多少異なる)での契約ができない場合もありますが、代理店型であればほぼ付けられるはずです。
盗難の場合、保険金が下りるまでにさまざまな調査、審査などがありますが、盗難されたことが確実になれば保険金は出ます。
アメリカをはじめ海外で人気の車種は日本での中古車価格も高騰します。そのようなクルマはとくに注意をしてください。
Writer: 加藤久美子
山口県生まれ。学生時代は某トヨタディーラーで納車引取のバイトに明け暮れ運転技術と洗車技術を磨く。日刊自動車新聞社に入社後は自動車年鑑、輸入車ガイドブックなどの編集に携わる。その後フリーランスへ。公認チャイルドシート指導員として、車と子供の安全に関する啓発活動も行う。
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