トヨタ新型「ハイラックス」 タンドラ顔になる? 日本仕様もデザイン刷新か
新型ハイラックスのパワートレインはどうなる?
新型ハイラックスには、新開発の2.8リッターディーゼルターボエンジンが搭載されます。それが「ランドクルーザープラド」に搭載されている2.8リッター1GD-FTV型ユニットの改良型なのか、それとも完全な新開発ユニットなのかは不明です。
ただし、最大トルクは500N・m(約51kg-m)にまで上げられており、0-100km/hを従来型よりも2.8秒も速い10秒で加速するといいます。
ちなみにオーストラリア仕様には、2.4リッターディーゼルターボと2.7リッターガソリンというふたつのパワーユニットが搭載される予定ですが、日本仕様には欧州仕様と同じ2.8リッターディーゼルが導入される可能性が高いようです。
2020年6月1日、今回の発表に先立ってフェルナンド・アロンソ氏のテストドライブ映像が公開されました。
この映像を観ると、サスペンションのセッティングが大幅に改善されていることが分かります。後輪の動きを見る限りでは、現行ハイラックスよりも明らかに路面追従性が向上しているように思われます。
発表によれば、前後のダンパーのチューニング、リアリーフスプリング、ブッシュ類の見直しが実施されているということなので、フィーリングはかなり変わっているかもしれません。
しかし、現行ハイラックスにおいても3種類のバネレートのリーフスプリングが用意されており、日本仕様にはもっとも硬いスプリングが装着されています。
それを考えると、欧州仕様と同じサスペンションが日本に導入されるとは限りません。ただ日本では、現行型のサスペンションは硬過ぎて、ダートなどで後輪が跳ねるという点が不評だというので、セッティングの変更はおそらく実施されるでしょう。
ちなみに4WDシステムには新たに、2WDモードのみで機能するブレーキLSDトラクションコントロールが採用されているようです。 なぜ2WDのみで作動する設定なのか理由が分かりませんが、日本でも全グレードに採用されそうな装備のひとつです。
面白いのは、最大積載量と牽引能力の向上です。新型ハイラックスはすべてのボディタイプにおいて、最大積載量1t、牽引能力が3.5tになったということです。
従来ハイラックスは最大積載量が500kg、そして3.4t(タイ生産のオーストラリア仕様の数値)の牽引能力を備えていました。
ダブルキャブの荷台に1tのモノを積むというケースは少なさそうですが、トレーラーヘッドとして使われることの多いハイラックスの牽引キャパシティの増加は、歓迎すべきことではないでしょうか。
今回、公表された資料にはレジャー派向きのオプションを豊富に用意していると書かれていましたが、日本でも多様なアイテムが準備されることでしょう。
ハイラックスの日本での立ち位置は、商用としての使われ方は少ないと聞きますが、そのほとんどは趣味的に乗っているユーザーが多いようです。
発表された新型ハイラックスのデザインは、従来のハイラックスよりもさらにSUTとしての色合いを強めています。
シングルキャブやエクストラキャブ、そして2WD車のラインナップがない現状においては、TRD仕様に代わるGR仕様やモデリスタ仕様、JAOS仕様などの外観パーツが出される可能性は大です。
日本での発売はそう遠くはないと見られていますが、欧州仕様と同じデザインで登場することを期待する日本のファンも少なくないのではないでしょうか。
いずれにせよ新型ハイラックスの登場で、導入から2年半経った現在でも販売地域によって月販約500台というハイラックス人気に拍車がかかることは間違いなさそうです。
ただ、ハイラックスで拓かれた日本のSUT市場に他メーカーも参入してくれれば、もっと盛り上がること間違いなしだと思います。
Writer: 山崎友貴
自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。
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