もっと売れるハズ! ホンダ「アコード」はスポーティさが復活の鍵となる?
ホンダ「アコード」は10代目へとフルモデルチェンジしました。海外市場から遅れての発売ですが、どのような進化を遂げているのでしょうか。
新型アコードはもっとスポーティさをアピールした方が良い!
1976年に初代モデルが登場以降、ホンダの大黒柱の1台として歴史を重ねてきたアコードですが、10代目となる新型モデルはアッパーミドルセダンという立ち位置は不変ながら、「若返り」をコンセプトに大きく刷新されました。
この10代目モデル、実は北米/カナダでは2017年から中国では2018年から発売されており、日本には遅れての導入となります。
ほかの仕向地よりも遅れた理由をホンダ関係者に聞くと、「他のモデルの導入タイミングとの兼ね合い」といっていますが、恐らく導入に至るまでは紆余曲折があったと思っています。
新型アコードの若返りをもっとも象徴するのは外観デザインです。歴代モデルは4ドアセダンの王道といえるフォルムでしたが、新型モデルはワイド&ローをより強調した4ドアクーペルックとなっています。
ただ、細部を見るとスポーティなのかプレミアムなのか“迷い”があるように感じたのも事実です。ちなみに純正アクセサリーのエアロパーツや19インチタイヤ&ホイールをプラスすると、いぶし銀のスポーティセダンルックに仕上がります。
一方、内装は水平基調のインパネ周りに機能性の高い操作系と奇をてらわずシンプルなデザインですが、アッパーミドルセダンにしてはちょっと事務的なデザインのメーター表示、シボや木目の使い方、カップホルダーのレイアウト、外枠は大きいのに画面は小さなナビゲーションなど、細部のツメの甘さは少々気になるところで、筆者(山本シンヤ)は“遊び心”をちょっとプラスするだけでも印象は大きく変わるような気がしています。
居住性は従来モデルよりヒップポイント/ヒールポイントが下げられたシートは柔らかいのにシッカリ感が高く、かけ心地はホンダ車のなかではトップレベル。
リアシートは足元や膝回りのスペースはクラストップレベル。頭上はボディデザインを見ると不利に感じますが、身長170cmの筆者が座ってもこぶしひとつ分のスペースを確保。
また、トランクルームはハイブリッドセダントップクラスとなっています。つまり、ドライバーズセダンとしてもパッセンジャーセダンとしても使える機能性を備わっています。
パワートレインはハイブリッド「e:HEV」のみの設定です。2リッター直列4気筒アトキンソンサイクルのDOHC i-VTEC(145馬力/175Nm)+2モーター内蔵CVT(184馬力/315Nm)の組み合わせで、基本はエンジンが発電した電力でモーターを駆動する「シリーズ式ハイブリッド」です。
しかし、高速巡航などでモーターよりもエンジンが効率がいいと判断した場合はエンジン直結クラッチを用いてエンジン走行をおこなうホンダ独自のシステムで、システム自体は従来モデルと同じ物ですが、新型に搭載するに辺って各部が最適化されています。
アクセルを踏んだときの応答の良さ、滑らかなフィーリングはモーター駆動ならではの特徴で、3リッターV型6気筒並みというトルクも実感できます。
ただ、同様のシステムを用いる日産のe-POWERのような「内燃機関とは違うだろ!!」というエンターテイメント的な演出はなく、あくまでもドライバーのペダル操作に合わせて必要なだけ力強さが増す自然なフィーリングです。
パドルシフトはアクセルOFF時の減速度調整用(4段階)ですが、日産の1ペダルドライブのように完全停止はしません。
アクセル開度が増えるとエンジン音は聞こえますが、よほど全開走行をしない限りは車体側の静粛性の高さも相まって車格に恥じないレベルですが、残念なのは車速とエンジン回転数がリンクしないフィーリングが残っている点です。
同じシステムの新型「フィット」はまるで多段ATかのような自然な制御に驚いたのでアコードも期待していたのですが、設計年次の違いから逆転現象が起きてしまったようです。ただ、開発陣も認識はしているようなので改良に期待したいと思います。
フットワークは低重心/低慣性、高剛性/軽量設計にこだわった新開発のプラットフォームに加えてサブフレーム、サスペンション、ステアリングシステムとすべてを刷新。
ダンパーはアコード初採用の減衰力4輪独立制御となる「アダプティブダンパーシステム」を設定。足元は専用開発となるブリヂストン製レグノGR-ELと独自構造のノイズリデューシングホイールの組み合わせです。
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