目的のためなら快適性はどうでもいい!? 走りを極めた車3選
500台限定で販売された異色の高性能モデルとは!?
●日産「スカイラインGT-R NISMO」
1989年に16年ぶりの復活を遂げた第2世代の日産「スカイラインGT-R」は、初代と同様、レースに勝つという目標のため開発されました。
エンジンは280馬力を発揮する2.6リッター直列6気筒ツインターボを搭載し、リア駆動を基本とした可変トルク型の4WDシステム「アテーサE-TS」が組み合わされ、実際にツーリングカーレースでは無敵を誇ります。
このツーリングカーレースは「グループA」にカテゴライズされたマシンで戦ったのですが、レギュレーションで改造に厳しい制約がありました。
そこで、スタンダードモデルに特別なパーツを組み込んだ「スカイラインGT-R NISMO」を、1990年に500台限定で発売。
グループAの規定では外観の変更はドアミラー以外許されないため、フロントバンパーに冷却用ダクトが追加され、リアウイングの下に加えて小型のリアスポイラーを装着。
エンジンではターボチャージャーのブレードがセラミックからメタルに変更され、出力などのスペックはベースモデルと同様です。
また、ABS、エアコン、オーディオ、リアワイパーなどの装備が省かれ、約30kgの軽量化が施されています。
スカイラインGT-R NISMOはシリーズのなかでも異色な存在で、いまでは極端に数が少ない幻のモデルです。
※ ※ ※
スカイラインGT-R NISMOのような「モータースポーツベース車」は、かつてホンダ「シビック タイプR」や三菱「ランサーエボリューション」、ダイハツ「ストーリアX4」など、各メーカーから販売されていました。
しかし、現在はメーカーがモータースポーツに参戦することやサポートに対して消極的になってしまい、いまやモータースポーツベース車はスバル「BRZ RA Racing」とマツダ「マツダ2 15MB」「ロードスター NR-A」くらいです。
ただし、これらのモデルはかつてほどストイックではなく、エアコンやパワーステアリングなど快適装備はそのままなので、普段使いもできるカスタムベースには最適ではないでしょうか。