なぜSUVミニバンは13年全面刷新無しで人気続く? 三菱「デリカD:5」が売れ続けるワケ
三菱が2007年に発売したSUVミニバン「デリカD:5」は、13年間全面刷新を受けなかったにも関わらず、安定して売れ続けているといいます。なぜ、長期間人気を維持できているのでしょうか。
デリカD:5はどんなユーザー層に人気?
三菱がオールラウンドミニバンと呼ぶ「デリカD:5」。2019年2月にビックマイナーチェンジし、2020年4月には特別仕様車「JASPER(ジャスパー)」を発売しましたが、じつは市場投入から13年間、フルモデルチェンジをしていません。
それでも人気は衰えず、売れ続けているといいます。その秘密はいったいどこにあるのでしょうか。
デリカD:5は2007年1月に発売されましたが、それからの累積販売台数は世界市場全体で20万5878台。海外向けには、タイやインドネシアなど東南アジアに輸出していた時期もありますが、現在は日本専用車です。
国内販売台数を年度別で見ると、発売直後の2006年度が9186台。翌2007年度は2万5717台となり、好調な販売台数を記録します。
その結果、2006年度から2019年度の平均販売台数が1万4581台と堅調な販売を続けているのです。
さらに、日本自動車販売協会連合会のデータでは、2019年度の登録車ランキングトップ50にランクインした唯一の三菱車(同43位)となります。
デリカD:5のなかで売れ筋のグレード販売比率はどうなっているのでしょうか。
標準グレード「P」が全体の37%でもっとも多く、次いで「G-POWERパッケージ」が33%、エアロ仕様のアーバンギアの「G-POWERパッケージ」が11%を占めます。
色別(ディーゼル車)では、標準モデルでは、ブラックマイカ(29%)、ウォームホワイトパール(27%)、アイガーブルーメタリック×ブラックマイカ(19%)となり、内装色は圧倒的にブラックが人気です。アーバンギアでは、ウォームホワイトパール(53%)がブラックマイカ(34%)を上回っています。
パワートレイン別では、ディーゼル車が91%と圧倒的です。
実は、2019年末でガソリン車の生産が中止となり、デリカD:5のウェブサイトでは、ガソリン車の掲載が2020年4月3日で終了しています。
ディーゼル専用車とした理由について三菱に聞くと、ディーゼル需要が9割という状況で「ビッグマイナーチェンジの際にデリカD:5のコンセプトを具現化するため、『4WD×ディーゼル』の開発に注力すべきであると判断しました」といいます。
また、日本国内乗用ディーゼル市場の今後については「欧州では(欧州メーカーなどによる)排ガス問題発覚以降、ディーゼルエンジンのシェアは落ちつきましたが、日本国内ではこれに影響されるような動きは見られず、今後も国内メーカーのディーゼルシェアは安定的に推移していくと考えています」(三菱)という分析です。
では、デリカD:5はどんな人が買っているのでしょうか。
2019年度におけるディーゼル車では男女比で、93%が男性です。
男性の年齢別では、40代(34%)、30代(23%)、50代(19%)、60代(10%)、20代以下(5%)、そして70代以上(3%)となります。
登録都道府県別では、東京(30%)、兵庫(7%)、愛知(6%)、北海道(5%)、埼玉(5%)となり、都会生活を中心としたファッショナブルなアウトドアアイテム、という商品イメージが強いことが分かります。輸入車ブランドのジープっぽい感じでしょう。
乗り換えについては、自銘柄からが44%ともっとも多く、他銘柄が30%で、モデルとしては「ミニバンからの乗り換えが多い」といいます。
ユーザーからの声としては、「パワーがあってしかも静か」、「高速道路の運転がすごく楽になって遠出が楽しくなった」、「往復50kmの通勤が毎日楽しい」、「スムーズかつトルクフルでよい」、「(デザインが最初は)ダサいと思ったけど、最近カッコよく見えてきた」、「内装の質感が大幅にUPしてGOOD」という声が寄せられています。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。