有終の美を飾る本格スポーツモデルに予約が殺到!? 最終限定車が話題となったセダン3選

生産終了が発表されたモデルには台数限定の特別仕様車が販売されることがあります。今回は、そのなかでもとくに注目と人気を集めた「ファイナルエディション」3車種をピックアップして紹介します。

WRCでライバルだったスバルと三菱のファイナルエディションとは

 スポーツカーをはじめ、長い期間発売されたクルマのなかには、最終モデルとして特別仕様車が台数限定で発売されることがあります。今回は、そのなかでも近年生産を終えたスポーツセダン3台の「ファイナルエディション」を紹介します。

●スバル「WRX STI」

スバル「WRX STI EJ20 ファイナルエディション」
スバル「WRX STI EJ20 ファイナルエディション」

 スバル「WRX STI」は、1992年に登場した「インプレッサ」のチューニングバージョンである「インプレッサWRX STI」にルーツを持つ、スバルのスポーツカーです。

 スバルの代名詞ともいえる水平対向エンジン「EJ20エンジン」を搭載しており、初代インプレッサWRX STIは、1994年1月に月産100台の受注生産車の形でリリースされました。

 その後もスバルを代表するスポーツカーとして生産され、2000年に2代目、2007年に3代目が登場。2014年に車種名から「インプレッサ」が外れ、「WRX STI」として単独のモデルに変更されます。

 2014年に登場したモデルは通算では4代目にあたり、ボディ自体もインプレッサとは別の4ドアセダンになりました。

 WRXは、EJ20エンジンを搭載するWRX STI(6速MT)に加え、「FA20エンジン」を搭載する「WRX S4」(CVT)というラインナップで展開していましたが、EJ20エンジンの生産終了にともない、2019年内いっぱいでのWRX STI生産終了が発表されます(WRX S4は継続)。

 その際に登場したモデルが、限定555台の「WRX STI EJ20 ファイナルエディション」でした。

 555台という数字は、かつてスバルがインプレッサでWRC(世界ラリー選手権)に参戦時にボディにプリントされていたスポンサーにちなんでいます。

 そのスポンサーは「ブリティッシュ・アメリカン・タバコ」というタバコ会社であり、同社のタバコの銘柄である「555」が、インプレッサのボディにスポンサー広告としてプリントされていました。

 スバルは、ブルーのボディにゴールドのホイールを装着するインプレッサでWRCに長期間参戦し続けていたため、EJ20 ファイナルエディションでもブルーのボディにゴールドカラーの専用19インチアルミホイールを装着するイメージが使われています。

 また、通常モデルのWRX STIをベースに、精密にくみ上げられたバランスドエンジンと、レカロ製スポーツシートなどを装備し、価格(発売時の消費税込、以下同様)は452万1000円から485万1000円でした。

 2019年11月でEJ20 ファイナルエディションの購入申し込みは終了し、WRX STIと共に既に販売終了となっています。

「最後のEJ20エンジンを搭載したクルマ」であり、限定車ということもあって、中古車市場では約600万円の個体も登場するなど、早くも新車価格を大きく上回る金額で取引されているようです。

●三菱「ランサーエボリューションX」

「ランエボ」の略称でも知られるランサーエボリューションは、1992年から販売されたスポーツセダンです。WRCにおいては、スバル「インプレッサ」の好敵手とも知られ、かつてはWRCのチャンピオンの座をかけて戦ったクルマです。

 ランサーエボリューションはフルモデルチェンジがおこなわれると、名前の最後に数字がナンバリングされてきました。初代ランサーエボリューションから、最終型のランサーエボリューションXまで、ナンバリングの数は10にのぼります。

 また、初代ランサーエボリューションから「III」までを第一世代、「IV」から「VI」までを第二世代、「VII」から「IX」までを第三世代、そして「X」と第四世代と区切る場合もあります。

 第一世代から第三世代までは、「4G63エンジン」という鋳鉄ブロックを持つエンジンを搭載していました。第四世代になると、4G63よりも軽量なアルミブロックを持つ「4B11エンジン」へと変わりました。

 そして、2015年4月にランサーエボリューションXの生産終了が発表され、その際に限定1000台で先行予約が開始となった特別仕様車が「ランサーエボリューション ファイナルエディション」でした。

 このファイナルエディションは、ランサーエボリューションXの5速MT「GSR」グレードをベースにパワーとトルクを向上させ、最高出力313馬力、最大トルク429Nmという歴代最強のエンジンスペックを誇ります。

 そのほかにも、通常グレードではオプション扱いだったビルシュタインダンパーとアイバッハスプリングなどを装備し、レッドステッチをあしらったレカロシートなどの特別装備が奢られました。

 429万8400円で販売されたファイナルエディションは、限定1000台が完売となり、同年8月に納車が開始されています。

 ランサーエボリューションは次期モデル登場の発表も無く、三菱最後の4WDスポーツということもあり、通常モデルも含めて価格が高騰する傾向です。

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