今見ても斬新でカッコイイ! スタイリッシュな軽自動車5選
本来ならもっと評価されてもいい軽自動車とは!?
●マツダ「キャロル」
1960年、マツダは「R360クーペ」で4輪乗用車市場に参入。完成度の高い外観デザインと低価格で「スバル360」と人気を二分しましたが、実質2人乗りのR360クーペは他社から続々と発売された軽自動車に対抗できなくなり、マツダは1962年に初代「キャロル」を発売します。
初代キャロルは、18馬力を発揮する先進的な水冷4サイクル直列4気筒OHVのオールアルミエンジンを、リアに配置するセダンタイプで、フロントにはトランクルームを備えていました。
しかし、キャロルは重い車体と非力なエンジンによってライバルに遅れを取って販売が低迷し、1970年に生産を終えます。
それから20年近く経った1989年に、ユニークなデザインの軽自動車として「キャロル」が復活。
2代目キャロルは丸みを帯びた3ドアハッチバックの車体で、女性をターゲットユーザーとしていたことが当たり、ヒット作となります。
シャシやエンジンなど主要なコンポーネントはスズキから供給され、内外装はマツダ独自のデザインと、単なるOEM供給ではないのも斬新でした。
エンジンは当初550ccでしたが、軽自動車規格変更後は660ccエンジンを搭載し、トップグレードには最高出力61馬力の直列3気筒SOHCターボが設定されています。
そして、1995年には3代目にモデルチェンジし、4代目以降はスズキ「アルト」のOEM車となって、現在に至ります。
●三菱「i」
三菱「i(以下「アイ」)」は、リアエンジン、リアドライブを採用した新時代の軽乗用車として2006年に発売されました。
アイの外観はエンジンをリアに置いたことで実現したショートノーズに、「タマゴ」のような斬新なフォルムが特徴的で、内装も明るく開放的な視界や、やわらかい印象のインパネなども優れたデザインと評されます。
当初、搭載されたエンジンは最高出力64馬力を発揮する660cc直列3気筒ターボのみでしたが、マイナーチェンジで自然吸気をラインナップ。
トランスミッションは全車4速ATが組み合わされ、後輪駆動とフルタイム4WDが設定されています。
2006年度には軽自動車初の快挙となる「グッドデザイン大賞」を受賞。内外装の意匠だけでなくパッケージングが高く評価されました。
しかし、軽自動車市場ではトールワゴンが主流になり始めていたため、アイは大ヒットには至らず、一度もフルモデルチェンジすることなく、2013年に販売を終了。
なお、2009年にはアイをベースとした世界初の量産EV「i-MiEV」が登場し、現行モデルは登録車に格上げして販売を続けています。
※ ※ ※
軽自動車は日本独自の自動車規格でつくられているため、一時期は携帯電話と並んで「ガラパゴス化製品」と揶揄されたことがあります。
しかし、アジア圏や欧州に軽自動車が輸出されたり、現地生産によって販売されていることは、あまり知られていません。
その多くは800ccや1リッターエンジンが搭載されていましたが、なかには550cc、660ccのまま販売されたモデルも存在します。
直近では2019年6月にパキスタンで新型「アルト」が発売されました。パキスタン仕様のアルトは、国内仕様のアルトと同じボディに660ccエンジンを搭載し、パキスタンの道路事情を考慮して最低地上高を15mm高くするなど、使用環境に合わせた必要最低限の変更が施されているのみです。
経済的にもパッケージングにも優れている軽自動車は、今後さらなる海外進出を果たすかもしれません。
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