「もっと売れていい」影に隠れたSUV 三菱「エクリプスクロス」が持つ優位性とは?
国内市場での販売実績はどんな評価? 三菱本社に聞いた
エクリプスクロスの販売の現状と今後について、一歩踏み込んだ質問を三菱本社に聞きました。
――国内販売以来の推移は、想定内ですか。
日本国内はコンパクトSUVの市場が伸長してきており、競争の激しいセグメントとなっています。
エクリプスクロスは発売以来、RJCカーオブザイヤーやグッドデザイン賞を受賞するなど、商品については高い評価を頂いているものの、2019年度下期の消費増税反動減や、直近の新型コロナウイルスの影響による市場の落ち込みもあり、先行きの見通しが難しい状況にあります。
――「デリカD:5」による「三菱=ディーゼル」効果は、エクリプスクロスに影響がありますか。
デリカD:5で実績を積み上げたエンジンを、より軽量・コンパクトなエクリプスクロスに搭載していることで、大トルクがもたらす力強さ・ゆとりをさらに体感出来ると好評をいただいています。
ただし、ガソリンエンジンもエクリプスクロス登場に合わせ新開発したもので、エクリプスクロスの現状では(ガソリン車の設定があった)かつてのデリカD:5ほど、ディーゼルエンジンの比率が高いわけではありません。
――販売現場での実質的な競合車は何ですか? それに対する優位性はどこにありますか。
ホンダ「ヴェゼル」、スバル「XV」など、コンパクトSUVとの比較検討をされるお客様が多いです。
そういったコンパクトSUVに対しては、1.5リッターガソリンターボエンジンと2.2リッタークリーンディーゼルエンジンや高剛性ボディが生み出す走行性能の高さに加え、コンパクトクラスとしては車体が大きい分、キャビン・荷室の広さが優位性に繋がると考えています。
加えて、マツダ「CX-5」などのミッドサイズSUVについても、コンパクトSUVとの比較に次いで多くなっています。
――三菱は各種SUVがありますが、それらと競合することはありませんか。
「RVR」および「アウトランダーPHEV」と比較検討される人は多いです。ただし、お客様の使われ方・趣味などにより、各種SUVのなかからお選びいただければと考えています。
――日本国内でさらに販売を伸ばすためには、技術面やサブスクリプション(サブスク)といった新型サービスなど、なにが必要だと思いますか。
技術面では電動化や先進安全装備の充実。コネクティッドなどの領域での進化が必要だと思います。販売面ではシェアリングサービスやサブスクなどのほか、新型コロナウイルス後の市場の動向変化に対応することが求められると考えます。
※ ※ ※
自動車業界で玄人受けするエクリプスクロス。商品ポテンシャルの高さが、今後しっかり実売につながっていくことを期待したいと思います。
Writer: 桃田健史
ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
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