スバル「レヴォーグ」熟成が進んだ最終型の実力は? 実燃費を徹底調査!
スポーティな走りを楽しむと燃費が悪化する!?
●ワインディング路
走行距離:40km
実燃費:6.3km/L
小田原厚木道路からターンパイクに接続するポイントで燃費計をリセット。ややキツ目の登り勾配の山道を、ゆっくりしたペースで登る区間の燃費は、6km/L台の前半から7km/L台を記録しました。
アップダウンやRが大きめのカーブが連続する区間では、SIドライブは「S」モード、ミッションはマニュアルモードを選択し、クルマ好きのドライバーが、十分な安全マージンを確保しながら走りを楽しむ際の運転モードを想定しながら走行しています。
遠慮なく動力性能を発揮させると、燃費は6km/Lを下回ることもありましたが、最高出力を発生する5000回転前後にタコメーターの針を釘付けにした走りはなかなか痛快です。
峠道で積極的にパワーを発揮させる走りにトライすると、最高出力170馬力という数値よりもパワフルに感じられました。
レヴォーグの1.6リッター車の特徴として、常用域でアクセルペダルの反応がやや過敏すぎると評されることがありますが、峠道など動力性能を活発に発揮させたい状況では、その過敏さが良いほうに作用して、パワーフィールにメリハリが得られるのでした。
シャシのフィーリングには、完熟を極めた最終モデルならではの完成度の高さを感じさせます。
新世代プラットフォームをベースとした最新モデルと比較すると、ステアリングを切ってから横Gが発生するまでの時間と、その後ロールが深まってからリアタイヤが踏ん張ろうとするまでの時間がわずかに長く感じられるものの、クルマ全体のすべての動きがドライバーの操作にシンクロする感覚は十分得られます。
トップグレードのSTIスポーツであれば、もうワンランク上のステアリングの切れ味が得られるので、スポーツ性を重視する人はGT-S系よりSTIスポーツがオススメとなります。
さらに、全グレードとも2リッター車になるとAWDシステムがVTD-AWDとなり、前後の駆動配分がやや後輪寄り(前45:後55)となるため、旋回時のフィーリングはよりシャープなものになります。
レヴォーグでなるべく高いスポーツ性を味わいたいなら「STIスポーツの2リッター」を選んで間違いないでしょう。
●一般道
走行距離:20km
実燃費:12.9km/L
東京方面への帰路は、東名高速から圏央道へ向かいました。下り勾配区間で17km/Lから18km/Lを記録するも、平坦路で100km/hを超えると燃費の伸びは鈍ります。
交通の流れに合わせてやや速めのペースで走る区間が多かったこと、そして峠道で気持ち良く感じたエンジンのフィーリングを高速巡航時にも積極的に味わいたくなったという欲望に負け、エコドライブの意識が薄れたこともあり、帰路の高速区間は16.5km/Lにとどまりました。
その後高速を降り、西東京エリアの一般道を20kmほど走行した区間では12.9km/Lを記録。比較的道は空いており、交通の流れはスムーズだったことを思うと、もう少し伸びて欲しかったところです。
また、ストップ&ゴーの頻度が高まる一般道では、常用域でのアクセル反応の過敏さが少し気になりました。
丁寧なアクセルワークを心がければ問題ないものの、雑なアクセルワークをおこなうと、低速トルクの盛り上がりがやや急激なものに感じられます。
この点においては、初期型から最終型にいたるまでほとんど変わらなかったので、メリハリの強さを感じさせる特性として意図的に残されたのでしょう。
多少、好き嫌いが分かれる部分ですが、1.6リッター車を買ったユーザーから不満として指摘されることは少なかった模様です。
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現代の基準からすると、レヴォーグ1.6リッター実燃費は優秀とはいい難い結果となりましたが、車重1560kgのAWD車であるということと、峠道で気持ち良さを満喫できたメリハリの効いたパワーフィールの痛快さを思えば、個人的には「許せる」範囲にあるとの見解です。
国産ステーションワゴンの選択肢が少なくなったいま、レヴォーグには燃費の悪さを補ってあまりある魅力が備わっているといえます。
燃費の悪さがネックといわれるスバル車も、世代が進むごとに着実に実燃費は良くなってきましたが、この先の燃費規制への対応をどう克服するのかが課題となります。次期レヴォーグでは、燃費性能がどれだけ向上するのか大いに注目です。
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