スバル「レヴォーグ」熟成が進んだ最終型の実力は? 実燃費を徹底調査!
2020年内に新型モデルが登場予定のスバル「レヴォーグ」。熟成が進んだ現行モデルの最終型の実燃費はどれくらいなのでしょうか。高速道路やワインディング、一般道を実際に走って、燃費を測定してみました。
新型レヴォーグが登場する前に現行モデルの燃費をチェック
いまや希少な、というより唯一無二の存在となった国産のハイパワースポーツワゴンとして人気を博してきたスバル「レヴォーグ」。
2020年内に次期型が発売されることにともない、現行型は5月25日をもって受注の受付が終了します。
しかし、それ以降になってもメーカー在庫やディーラーが先行発注した在庫などは、まだ購入は可能なようです(好みのグレードやボディカラー、仕様などは5月25日までの受注でないと確実ではありませんが)。
新型は気になるものの、クルマとしての熟成が進んだ最終モデルを選びたいと考える人は少なくありませんし、現行型のデザインのほうが好きだという人も居るでしょう。
そこで今回は、実際の燃費を中心に最終型の印象をレポートします。
現行型レヴォーグは、2014年6月に発売が開始されました。「革新スポーツツアラー」をコンセプトとし、かつての「レガシィツーリングワゴン」のトップスポーツグレード「GT」シリーズの精神的な後継モデルとして誕生しました。
エンジンは300馬力のハイパワーを発揮する2リッターと、レギュラーガソリン対応でパワーと燃費のバランスがとれた1.6リッターの2種類の水平対向直噴ターボエンジンを設定。発売初年度は年間4万台以上を記録するヒット作となります。
2016年にはトップスポーツグレードとして「STIスポーツ」を追加し、これがさらに人気を博して売れ筋グレードとなりました。
レヴォーグがデビューした当初は、乗り心地が硬い、リアのダンピングが足りないなど、サスペンションのセッティングに一部のユーザーから不満の声が挙がりましたが、年々改良が進み、最終型では誰が乗ってもほぼ不満の出ない乗り味に仕上がりました。
今回、燃費テストに起用したモデルは、2019年に発売された特別仕様車「レヴォーグ1.6 GT-S EyeSight アドバンテージライン」で、ハイビームアシストの作動速度を40km/hから30km/hに下げるなどした最新型の運転支援システム「アイサイトセイフティプラス」を搭載。
後側方警戒支援システムやフロント&サイドビューモニター/スマートリヤビューミラーも装備されます。
外装では、225/45R18アルミにブラック塗装が施され、フットランプ付きのブラックカラードドアミラー、ブラックカラードドアハンドルなどで加飾されます。
SUVの「XV」で人気を博した「クールグレーカーキ」が、専用色としてレヴォーグで選べるようになったのもポイントです。
内装では、ブルードレープ調&クロームメッキのインパネ加飾パネルや、ウルトラスエードをおごった本革シート(ブルーアクセント、ブルーステッチ付き)が特別装備となります。
ちなみに、レヴォーグの1.6リッターエンジン(FB16DITターボ)は、2017年8月から発売された後期型(アプライドD型)から制御を最適化し、前期型よりも実用燃費が向上しました。
走行ルートは、西東京エリアの一般道から圏央道/小田原厚木道路の高速道路を巡航。箱根/芦ノ湖エリアのワインディング路を経て、帰路は東名高速/圏央道から西東京エリアの一般道に戻るというルートです。
合計で約230km走行した結果、燃費計に表示されたトータルの平均燃費は13.4km/Lでした。
同グレードのJC08モード燃費は16.0km/Lですが、AWDターボのスポーツワゴンらしい気持ち良いドライブを楽しんだとはいえ、1.6リッターのダウンサイジング系エンジンとしては正直寂しい数字です。
走り方としては、燃費重視のエコ走行から、周囲の流れに合わせた標準的なペースでの巡航、ワインディング路では燃費を一切気にせずスポーティに走らせるなど、さまざまな状況をトライしました。
ドライブモードは基本的に「I(インテリジェントモード)」を選択。山道と高速道路の一部で「S(スポーツモード)」を選択しました。
タイヤは、ブリジストンのスタッドレスタイヤ ブリザックVRX2を装着していたので、100%ノーマルとはいえない仕様でのテストになりましたが、筆者(マリオ高野)が過去におこなったテストにおいて、ブリザックVRX2は純正タイヤ(ダンロップ スポーツマックス)とほとんど変わらない燃費が記録されることを確認しています。
●高速道路(往路)
走行距離:64.4km
実燃費:19.0km/L
往路の圏央道ではエコ運転を意識して、運転支援システム「アイサイトver.3」の全車速追従機能付クルーズコントロールを上限80km/hにセットしてドライブ。
テスト当日の交通量はやや多めでしたが、走行車線は60km/hから70km/h程度のゆっくりとしたペースで流れたこともあり、燃費計の数値は常に低燃費をマークしました。
圏央道に乗って23km走った時点で、19km/L台をギリギリキープします。車重1560kgのAWD車として考えると、決して悪い数字ではありません。
スタッドレスタイヤの影響が微妙に出ている可能性もありますが、60km/hから70km/h程度のペースだと、いまどきのクルマの多くはスタッドレスタイヤを履いていても20km/L台を超える傾向にあり、1.6リッター車としてはもう少し伸びてほしいところでした。
運転支援システム「アイサイトver.3」の全車速追従機能付クルーズコントロールの制御の自然さについては、いまもなお500万円以下で買えるクルマとしては最高レベルにあることを確認しました。
世界中のクルマの運転支援システムのレベルが底上げされたいまとなっては、アイサイトにひと昔前のような大きなアドバンテージはなくなったと感じることが多くなったものの、オートクルーズの加減速の仕方や、先行車の認識精度の確かさ、そして作動のわかりやすさによる安心感においては、まだアイサイトに一日の長を感じる部分は少なくありません。
機械ではなく、運転の上手いベテランドライバーがアクセル&ブレーキ操作をしてくれているかのような自然なフィーリングは、レベルが高いと感じました。おかげで東京から箱根方面程度の走行は、あっという間に過ぎ去ったのでありました。
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