高額値引きでも売れなかったセダンがあった!? 迷車・珍車セダン5選
ロータリーエンジンを搭載したラグジュアリーセダンとは!?
●日産「レパードJ.フェリー」

1980年に登場した日産初代「レパード」は、斬新なスタイリングの4ドア/2ドアハードトップで、1986年に発売された2代目では、当時大人気だったトヨタ「ソアラ」を意識した2ドアクーペに一新。TVドラマシリーズ「あぶない刑事」の劇中車として使用されたこともあり、若者を中心に人気を博します。
しかし、1992年に登場した3代目にあたる「レパードJ.フェリー」は、先代の2ドアクーペとは異なりエレガントな高級サルーンに変貌。
最高出力270馬力を発揮する4.1リッターV型8気筒エンジンを搭載するなど、北米市場を主戦場として開発されたため、アメリカのラグジュアリーカーに多く見られた、トランクが後方に向かって下がる「尻下がり」なデザインが採用されました。
しかし、国内市場では高額な価格設定と尻下がりのリヤデザインが不評で、一気に不人気車となってしまい、ディーラーではひと声数十万円の値引きが当たり前だったといいます。
その後も販売は好転しなかったため、1996年に4代目が発売されると車名がレパードに戻され、「セドリック/グロリア」をベースとした比較的オーソドックスなデザインのセダンに一新されました。
●マツダ「ロードペーサー」

マツダには1970年代に大衆車から高級車まで、ロータリーエンジン搭載車のフルラインナップを完成させるという目標がありました。
そこで、1975年にトヨタ「センチュリー」や日産「プレジデント」に匹敵するような高級セダン、「ロードペーサー」を発売します。
当時のマツダには大型セダンを自社で生産する設備が無かったため、オーストラリアのメーカーであるホールデンにOEM供給を打診。
ロードペーサーはホールデン「プレミアー」の車体をベースにロータリーエンジンを搭載し、マツダのフラッグシップカーとして販売が開始されました。
搭載されたエンジンは654cc×2ローターで135馬力を発揮。しかし、もともとは5リッターを超えるV型8気筒エンジンが搭載されることを想定していた車体は重く、ロータリーエンジンの燃費の悪さに拍車がかかったといいます。
スタイリングは当時のアメ車(ホールデンはGMの傘下)そのもので、スタイリッシュでしたが日本人には馴染めず、さらに高額な車両価格のため販売は低迷。
一方で、騒音や振動が少ないロータリーエンジンならではの静粛性による、上質な室内空間は高く評価されました。
そして、1977年に「ルーチェ」の上位モデル「ルーチェ レガート」が発売されたことにより、ロードペーサーは販売を終了。いまでは非常にレアなモデルで、まさにマツダ屈指の迷車といえます。
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今回、紹介した5台のセダンを振り返ってみると、各メーカーとも試行錯誤を繰り返していたことがわかります。
近年は合理的な開発手法や、徹底的なマーケットリサーチがおこなわれているため、極端に販売が低迷するモデルや、奇をてらったようなクルマは少なくなりました。
一方で、個性が光るクルマも少なくなってしまったので、物足りなさを感じてしまう人もいるのではないでしょうか。
Writer: くるまのニュース編集部
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