焼肉の定番「カルビ」と似てる!? 人気クロスオーバーとの意外な共通点とは

人気のクロスオーバーSUVが焼肉で人気の「カルビ」だった?

 最近、クロスオーバーSUV比率が高いマツダですが、コンパクトクロスオーバーSUVは「CX-3」と「CX-30」を用意。一見、キャラクターが被っているように思えますが、強いえていえば、前席優先でパーソナルユースならCX-3、後席やラゲッジも重視するファミリーユースがメインならCX-30。ですが、CX-30がすべてをカバー可能でしょう。

マツダ「CX-30」
マツダ「CX-30」

 スバルは「XV」です。「インプレッサ」をベースにクロスオーバー化させたモデルですが、スバル伝統のシンメトリカルAWDに加えて200mmの最低地上高により、下手なSUV顔負けの悪路走破性も備えています。一見ライトなキャラクター見えますが、走りに関してはクラス最強のオールラウンダーといってもいいと思います。

 三菱は「RVR」です。ボディサイズやオン/オフの走りのバランスなどは決して悪くないのですが、デビュー時期が2010年と基本設計の古さは隠せないのも事実です。

 スズキはキャラクターが異なる3台を用意しています。「クロスビー」は軽自動車「ハスラー」の兄貴分といったモデルで、4WDやグリップコントロール/ヒルディセントコントロールなどの悪路走破支援デバイスも用意されますが、あくまでも都会派寄りのキャラクター。

 2018年7月にフルモデルチェンジを遂げ大きな話題となった「ジムニーシエラ」はコンパクトサイズと機動性の高さを活かした悪路走破性が特徴で、日本でも数少ないオフ重視モデル。

 そして、「エスクード」は日本では地味な存在ですが、欧州仕込みのオンオフ両刀の走りは「隠れた逸品」といっていいと思います。

※ ※ ※

 これらのモデルの多くは「コンパクト」といいながらも、世界戦略車として開発されていることもあり、ボディサイズは同じクラスの乗用車よりは大きめなのも事実です。そんなことから、数少ない5ナンバーサイズのライズ/ロッキーの人気の高さが解ると思います。

 そこで、今はより小さな軽自動車がベースとなるクロスオーバーも注目されています。スズキ「ハスラー」はありそうでなかった軽クロスオーバーの先駆者で、現行モデルは2020年1月に2代目が発売されました。

 その後を追うべく、ダイハツからは「タフト」が2020年6月に発売予定となっています。どちらもコンパクトクロスオーバーよりもアソビ心がある大胆な内外装デザインと「ちょっと行ってみようかしら!」と思わせる、いい意味で“ほどほど”のオフロード性能が特徴となっています。

 この辺りは「日本人のため」というニーズに的確な商品企画が可能な軽自動車らしい部分かもしれません。このように、それぞれのモデルの特徴はさまざまなことが解ると思います。つまり、ユーザーが「どのように使いたいのか?」によって、選択肢はおのずと絞ることができるはずです。

 実は、筆者はクロスオーバーSUVは焼肉の定番「カルビ」に似ていると思っています。カルビは韓国語で「あばら」を指す言葉で、あばら周辺の肉であることを以外は明確な定義は存在しません。つまり、お店によって特徴はバラバラなのですが、どれでも人気メニューであることは間違いないと、まさしく現在のクロスオーバーSUVと同じなのです。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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