「ローラースケートGT」と呼ばれたスポーツコンパクト ホンダ「バラードスポーツCR-X」を振り返る
コンパクトなスポーツクーペだったホンダ「バラードスポーツCR-X」は、樹脂ボディパーツをはじめ、「速さ」だけではない数々の特徴がありました。そこで、バラードスポーツCR-Xを振り返ります。
シビックのコンポーネンツを利用したスポーツクーペとして誕生
1972年に発売され大ヒットした初代「シビック」は、上質さを追求にするためにホイールベースやトレッドを伸ばし、ワンランク上の乗り心地を実現した2代目にモデルチェンジ。
それと同時に、シビックと主なコンポーネントを共有し、さらに高級感を持たせたクルマを「バラード」として1980年に発売しました。
しかしバラードは、2代目シビックを4ドアセダン化しただけと捉えられ、高い評価を受けることはありませんでした。
バラードは1983年のモデルチェンジで3代目シビックとほぼ共通の販売店違いの姉妹車となりますが、そのモデルチェンジの数か月前に発売されたのが、スポーティな3ドアハッチバッククーペである「バラードスポーツCR-X」です。
バラードスポーツCR-Xは低く構えたフロントノーズに備えられたセミ・リトラクタブルヘッドライトと、低ボンネット高、なめらかなフラッシュサーフェスボディが特徴的でした。
ボディサイズは全長3675mm×全幅1625mm×全高1290mmで、徹底した空力フォルムの追求によりCd×A値(空気抗力係数×前面投影面積)0.56と、当時としては驚異的な数値を達成。
そして、1.5リッター車で800kg台と軽量な車体を実現するため、樹脂パーツを多用していました。
前後バンパーには新素材の「H・P・BLEND」を採用。フロントマスクをはじめ、ヘッドライト・フラップ、左右フロントフェンダー、左右ドアロアガーニッシュには「H・P・ALLOY」を採用することで軽量化と耐チッピング性、防錆を実現。
内装では機能的にレイアウトされたインパネを、低い位置にレイアウトすることで広角度の視界を確保。ホールド性にすぐれたバケットシートと小径ハンドルを装備するなど、スポーツ性が高められています。
またオープントップのような解放感が味わえる、世界初となった電動アウタースライドサンルーフ仕様車、天井から外気を取り入れ換気をおこなうことができる量産乗用車世界初のルーフラム圧ベンチレーション仕様車が設定されていました。
免許を取って初めて買った車がバラードスポーツCR-Xの1500ccでした。CR-Xの発売時期に丁度免許を取得したので、とても懐かしい感じられました。
昭和59年12月初期登録車を中古で購入。その後、家庭の事情で15年の冬眠。一昨年、公道復帰しました。
当時は、こんな車事情になるとは思わなかったですが手元に残しておいてよかったです。
今では珍しい車になってしまいましたが、乗れる限り乗り続きていきたいと思います。