日本車が世界進出するきっかけになった!? 初代が偉大な車5選

単一車種で何代も続くロングセラーなモデルがあるなかで、初代が偉大な足跡を残したモデルが存在。そこで、偉大な元祖といえるクルマを5車種ピックアップして紹介します。

初代が登場したからいまがある!?

 現在、世界中で販売されているクルマのなかには、単一車種で何代も代を重ねているロングセラーなモデルがあります。

自動車史に偉大な足跡を残したクルマたち(画像はダットサン「240Z」)
自動車史に偉大な足跡を残したクルマたち(画像はダットサン「240Z」)

 誕生から数十年を経て、初代から大きくコンセプトが変わってしまったモデルもありますが、初代が残した足跡はいまも語り継がれ、自動車史に燦然と輝く存在です。

 そこで、偉大な元祖といえるクルマを5車種ピックアップして紹介します。

●フォルクスワーゲン「タイプ1」

初代ビートルの最後を飾った「タイプ1 アルティマエディション」
初代ビートルの最後を飾った「タイプ1 アルティマエディション」

 フォルクスワーゲンを代表するモデル「タイプ1」は、フルモデルチェンジなしに65年もの歴史を刻んだ偉大なクルマです。

 誕生は第二次世界大戦以前の1938年、アドルフ・ヒトラーの国民車構想のもと、フェルディナンド・ポルシェ博士によって開発されました。

 しかし、第二次世界大戦が勃発すると、国民車ではなく主に軍用車として使われたといいます。

 戦後になるとドイツ復興のためタイプ1の量産が始まり、世界中に輸出され、そのルックスから「ビートル」の愛称で呼ばれて、またたく間にベストセラーカーとなりました。

 タイプ1は空冷水平対向4気筒OHVエンジンを、軽量かつ剛性の高いシャシの後部に搭載したRRで、このレイアウトは汎用性が高く、1BOXワゴンやトラック、セダン、ステーションワゴン、クーペなど、さまざまな派生車が誕生するなど、あらゆる顧客のニーズに対応。

 ドイツ本国での生産は1978年に終了して、主力車種は「ゴルフ」にバトンタッチしますが、メキシコでの生産は2003年まで継続されました。

 そして、1998年にはゴルフのシャシをベースに、タイプ1をオマージュした「ニュービートル」を発売し、その後「ザ・ビートル」となり、2019年に生産を終了して長い歴史に幕を閉じました。

●BMC「ミニ」

さまざまなアイデアが盛り込まれた偉大な小型車「ミニ」
さまざまなアイデアが盛り込まれた偉大な小型車「ミニ」

 1959年、BMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)は、天才技術者といわれたアレック・イシゴニスによる設計の「ミニ」を発売。

 ミニは全長3mほどの小さな車体ながら、大人4人と荷物を載せてドライブできるほどの優れたパッケージングで、世界中のコンパクトカーの手本となります。

 エンジンは初期モデルで850ccの直列4気筒OHVを横置きに搭載するFFで、後に1.3リッターまで排気量を拡大しました。

 ミニのユニークな点は、サスペンションに用いられるスプリングが、一般的な金属のコイルばねではなく「ラバーコーン」と呼ばれるゴム製のばねを採用したことです。

 これは、室内の寸法を極力広くするためにレイアウトされたサスペンションに不可欠なものでした。

 軽量な車体により運動性能も高く、「ミニ クーパー」や「ミニ クーパーS」といった高性能モデルが作られ、モータースポーツで活躍。

 また、セダン、ワゴン、バン、ピックアップトラックと多くのバリエーションが用意されるなど、優れた基本設計となっていました。

 2000年に最後モデルが販売され生産を終了しますが、イギリスのみならず日本でも人気があり、いまもさまざまなパーツが生産されて、クラシックカーのなかでも身近なモデルです。

 そして、BMWがミニの製造権を獲得し、2001年に新型ミニを発売。世界中でヒットし、現在に至ります。

●フィアット「NUOVA 500」

イタリアの庶民の足として大ヒットした「NUOVA 500」
イタリアの庶民の足として大ヒットした「NUOVA 500」

 初代フィアット「500」は1936年にデビューした超小型車で、2人乗りの小柄なボディで機敏に走る様子から、「トッポリーノ(ハツカネズミ)」の愛称でイタリア国民から親しまれました。

 そして、1957年に登場した後継車の「NUOVA 500(ヌォーヴァ チンクエチェント)」は、モダンなデザインで、スペース効率を重視したRRの4人乗り小型車に生まれ変わりました。

 当初、搭載されたエンジンは500ccの空冷2気筒OHVで、出力はわずか15馬力ほどでしたが、軽量な車体には十分だったといいます。

 また、丸みを帯びた小さなボディも巧みにデザインされており、小型車ながら安定感のあるルックスです。

 NUOVA 500はコストと実用性を追求した大衆車としてイタリアで大ヒットし、1977年に生産を終えましたが、いまも世界中に愛好家が多く、日本では「チンク」の愛称で呼ばれる存在です。

 そして、2007年に駆動方式をFFとした新型500が発売され、現在はフィアットの主力車種として販売されています。

【画像】イタリア製の「ミニ」があった!? 偉大な元祖を見る(24枚)

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1件のコメント

  1. シビックのCVCCは確かに凄いな、昭和51年規制の他社の車のパワーダウンたるや悲惨だったからね。
    例えば同じL20型を搭載したセドリックも51年規制車(330型)など規制以前は4速で上がれた勾配が3速でやっとと言った具合だったからね。
    この記事のZも同じくNISSAN NAPSの規制車は牙を抜かれた例えが実に当てはまる車だったな

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