ジープはなぜ人気? 2019年度「勝ち組」ブランドの理由とは

10年にも及ぶジープの成長の理由はどこにあるのか

 こうしてみると、個性が強いブランドが2019年度の勝ち組の特徴だが、ジープの成功は、それだけでは説明がつかない。それは、なんといっても10年間もプラス成長を続けているからだ。

 では、過去10年でジープは何をやってきたのかをチェックしてみよう。すると2つのことがわかる。

 ひとつは定期的な新型モデルの投入だ。

 2013年のグランドチェロキー、2014年のチェロキー、2015年のレネゲード、2017年のコンパス、2018年のラングラーと毎年のように新型モデルを日本に上陸させている。2019年は新型モデルこそなかったものの、レネゲードをマイナーチェンジし、毎月のように新グレードの追加や限定車の発売をおこなってきた。

日本に未導入のJeep「グラディエーター」。導入の噂もチラホラ
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 これによりジープは、SUVオンリーでありながらも、ライトなシティ向けのモデルから、本格オフローダーまで、幅の広いラインナップを揃えることができている。もちろん販売成績という面では、毎年のように新顔が増えるのは大いにプラスに働いているはずだ。

 もうひとつは、販売網の拡充だ。ジープを販売するFCAジャパンは、2016年より日本国内の販売店に新しいコーポレート・アイデンティティ(CI)を導入して、店舗デザインの統一を進めている。

 さらに拠点数の拡大にも熱心で、2016年に全国69だった店舗数を、現在では38法人80店にまで増加。計画では2020年中に90店が目標だという。

 クルマの販売を伸ばすには、やはり販売網の拡充は必須だ。地味で苦しい作業ではあるが、そうしたところをしっかりと進めているのもジープの成功の理由といえるだろう。

 ブランド固有の個性。そして毎年のように投入されるフレッシュな新型モデル。最後に販売網の拡充。ジープの魅力を土台にしつつも、メーカーや販売店の努力が、過去10年のジープの成長の理由ではなかろうか。

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Writer: 鈴木ケンイチ

1966年生まれ。國學院大学経済学部卒業後、雑誌編集者を経て独立。自動車専門誌を中心に一般誌やインターネット媒体などで執筆活動を行う。特にインタビューを得意とし、ユーザーやショップ・スタッフ、開発者などへの取材を数多く経験。モータースポーツは自身が楽しむ“遊び”として、ナンバー付きや耐久など草レースを中心に積極的に参加。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを、分かりやすく説明するように、日々努力している。最近は新技術や環境関係に注目。年間3~4回の海外モーターショー取材を実施。

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