なぜ復活? 懐かしのドライブインシアター アメリカで再燃し日本に上陸!
2020年4月上旬にかつて日本でも流行した「ドライブインシアター」が復活しました。なぜ、今になって一度廃れてしまったドライブインシアターが開催されたのでしょうか。
大人のロマンスから「家族水入らずの時間」へ
新型コロナウイルスの感染拡大防止のために外出の自粛が求められ、多くの娯楽が「不要」とされています。しかし、そんななかでも不安を抱えた住民の心に一時の癒やしを提供するべく、趣向を凝らしたイベントを開催している地域がありました。今、話題を読んでいる「ドライブインシアター」は、どんなイベントなのでしょうか。
かつてのバブル期には「ドライブインシアター」という施設が全国に20箇所以上存在していました。クルマに乗ったまま、駐車場などの屋外に設置されたスクリーンと、カーオーディオを使用して映画を鑑賞することができる施設です。
その後、シネコンの普及やアイドリングストップの推進などの影響で衰退し、国内で唯一残っていた施設も2010年10月で営業を終了していました。
しかし、今このドライブインシアターが、他者との接触を避けることができる娯楽として注目を集めており、欧米をはじめ日本国内でもイベントが開催されています。
山梨県のショッピングモールラザウォーク甲斐双葉では、2020年4月4日と5日に屋上駐車場でドライブインシアターを復活。開催に至った経緯や今後について、主催である株式会社山梨放送の担当者は次のように話します。
――ドライブインシアターを開催した経緯を教えて下さい。
山梨県では、2020年3月上旬に小・中・高校の自粛要請があり、早い段階で休校とした地域が多くありました。当初は4月上旬が学校再開とされていたため、子どもたちは約1か月間も家にいる状態になっており、何か気分転換をさせてあげられないかと考えていました。
そんなときに、以前別のイベントで関係のあった塩山シネマさんから、ドライブインシアターをやらないかとのお誘いを頂きました。
本来なら春休みの時期は子ども向け映画が多く公開される時期でしたが、ほとんどが夏以降に延期となってしまっていたため、映画はタイミング的にピッタリでした。
また、ドライブインシアターを知っている世代には懐かしく、若い親御さんには新鮮であるため、仕事や子育てで負荷が増えていた大人も一緒に、家族水入らずで気分転換できる絶好のイベントとなるだとうと、その日のうちに会場探しと企画書作りを始めました。
その後、ラザウォーク甲斐双葉さんに駐車場を提供して頂き、無事イベントを開催することができました。
――ドライブイン・シアターの来場状況を教えて下さい。
映像や音声を快適に楽しめるよう、駐車場すべてを使わずに100台ほどが停められるスペースに区切って開催しましたが、お陰様でほぼ満車状態でした。配給会社さんとの相談で、500円という価格で提供することができたのも影響があるのではないでしょうか。
――今後、開催の予定はあるのでしょうか。
今は緊急事態宣言の対象地域が広がってしまったので、直近では予定しておりません。しかし、状況が落ち着いたら、またぜひ開催したいと考えています。
※ ※ ※
なお、上映されたのは家族向けアニメ映画「ペット2」でした。上映終了時間は18時半となり、担当者の話す通り、今回のドライブインシアターはかつての「大人の娯楽」ではなく「家族の娯楽」という意味合いのイベントだったようです。
そして、このようなイベントの開催は、映画業界をはじめ全国の自治体にも影響を与えています。
映画のプロデュースなどを手掛ける株式会社ハッチは、クラウドファンディングによって資金調達をおこない、ドライブインシアター開催にこぎつけました。第1回イベントは、神奈川県の大磯ロングビーチにて2020年5月以降に開催予定としています。
ほか他にも、人気若手俳優や人気お笑いコンビといった関係者たちも、賛同者として名乗りを挙げているほか、各都道府県でもドライブインシアター開催を目指した活動を始める自治体が増加しているとのことです。
見事なリバイバルを遂げたドライブインシアターは、新型コロナウイルスの影響で体も心も疲弊しきった人々を救う突破口となるのか、新型コロナウイルスの影響が終息した後の各団体の取り組みが楽しみです。
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