もはや初代の面影なし!? コンセプトが変わりすぎた車3選
初代とは別モノだけど売れているからいい!?
●メルセデス・ベンツ「Aクラス」
1997年に発売されたメルセデス・ベンツ初代「Aクラス」は、エントリーモデルとして開発されたコンパクトな5ドアハッチバックです。
同社初のFF乗用車であり、それまでのモデルと比べてイメージが大きく異なっていたことで、世界中から注目されました。
外観はボンネット部分が極端に短く背が高いトールワゴンタイプで、コンパクトミニバンのようなボディ形状となっています。
分割可倒式のリアシートは取り外しが可能で多彩な荷室アレンジができ、使い勝手に優れているだけでなく車両価格が比較的安価ということもあり、ヒット作になりました。
2005年にフルモデルチェンジした2代目は、初代からキープコンセプトでデザインは大きくは変わらず、引き続きトールワゴンタイプで登場します。
ところが、2012年に3代目へモデルチェンジされたAクラスは、車高が低くスポーティなフォルムのCセグメントのクルマとなり、BMW「1シリーズ」やアウディ「A3」と競合するプレミアムコンパクトカーに変貌。
2018年には現行モデルの4代目が登場し、ボディはよりワイドで精悍なデザインを採用すると同時に、4ドアセダンがラインナップされるなど、もはやFFであること以外は初代のコンセプトが完全に失われてしまいました。
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今回、紹介したクルマとは逆に、初代からのコンセプトを守り続けているクルマも数多く存在します。
たとえば、日産「フェアレディZ」とポルシェ「911」は、どちらも誕生から50年以上経過するスポーツカーですが、基本的なフォルムやエンジンの搭載位置などは変わっていません。
ただし、この2台は特別で、存在そのものがアイコン化、ブランド化されているため、もはや大きく変わることが許されないモデルといえます。