もはや初代の面影なし!? コンセプトが変わりすぎた車3選
クルマはモデルチェンジのタイミングで、完全に別のクルマに変貌するケースが稀に存在します。そこで、初代と比べてコンセプトが一変したクルマを3車種ピックアップして紹介します。
時代の流れとはいえ、変わりすぎたクルマたち
新型車が発売されると、数年ごとにモデルチェンジするのが一般的です。その際には、キープコンセプトとされるものが多いですが、外観が大きく変わることもあります。
なかには、見た目だけでなく基本的なコンセプトから完全に別のクルマになったケースも存在。
そこで、初代に比べてコンセプトが大きく変わってしまったクルマを、3車種ピックアップして紹介します。
●ミニ
BMWが開発したプレミアムコンパクトの「MINI(ミニ)」は、2001年に発売され、デザインと走りの良さから世界中で大ヒットしました。
BMWは、誕生から一度もフルモデルチェンジしなかったBMC(ブリティッシュ・モーター・コーポレーション)ミニをモチーフに、「もしミニがモデルチェンジを繰り返していたら、どうなっていたか」を検証するために、実際にデザインのシミュレーションを繰り返すプロセスを経て、新型ミニを開発したといいます。
新型ミニは走りも洗練されたものとなっており、ゴーカートのようにキビキビと走るフィーリングも健在で、誰もがオールドミニを正常進化させたクルマだと納得する仕上がりでした。
その後、2度のモデルチェンジがおこなわれ、第1世代では3ドアハッチバックとコンバーチブルだけだったボディタイプが、クーペ、ロードスター、カントリーマン、ペースマン、5ドアなど、バリエーションが一気に増えています。
なお、オールドミニでは2ドア、ステーションワゴン、バン、ピックアップなどが設定されていましたが、フロント部分の基本的なデザインは同じで、ホイールベースの延長や、後部を変更したくらいにとどまっています。
現行モデルのミニは2013年に発売された第3世代で、新開発されたプラットフォームを採用したことによりボディサイズを拡大。
3ドアで全幅は1725mm、SUVのクロスオーバーに至っては1820mmと、もはやミニとはいえないほど大型化してしまいました。
●ホンダ「シビック」
1972年、ホンダから新しい発想のコンパクトカーである初代「シビック」が発売されました。
FFを採用した2ドアボディの四隅にタイヤをレイアウトすることで広い室内を確保し、燃費の良さも相まって大ヒットします。
最高出力60馬力の1.2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、発売当初はシンプルに4速マニュアルミッションのみの設定で、車名のとおり「市民の」ためのクルマを徹底して追求していました。
そして、後に3ドアハッチバックや5ドアハッチバック、上級グレードの「GL」、スポーティモデルの「RS」を追加ラインナップするなど、多様化するニーズに対応するコンパクトカーを目指すようになります。
1979年に登場した2代目ではひとまわりボディが大きくなり、1983年発売の3代目では1.6リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「Si」をラインナップするなど、コンパクトカークラスのパワーウォーズに加わります。
その後も代を重ね、現行モデルの10代目シビックでは、5ドアハッチバックと4ドアセダンの2タイプのボディとなり、全幅も1800mmと、もはやミドルクラスのクルマです。
さらに、最高出力320馬力の2リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載したシビック タイプRは、スポーツカーとしてFF車最速の座に君臨。
シビックはデビュー時のコンセプトだった「市民の」ためのクルマからは程遠くなり、もはや初代の面影はまったく残っていません。