どこでも寝られる? 軽自動車の車中泊ブーム 気軽さが需要増のワケ?
近年、ブームとなっている車中泊。とくに、日本人にとって身近な存在ともいえる軽自動車ではその車中泊がひとつのカルチャー化しています。車中泊と軽自動車にはどのような関係があるのでしょうか。
競争激化の軽自動車。 トレンドは「車中泊」
ここ数年、新たな旅のスタイルとして人気を呼んでいる車中泊。もともと日本では、ホテルなどの宿泊費を節約できるといったコストパフォーマンスの面から注目を浴びて広まってきました。
そんな車中泊と日本でもっとも身近な軽自動車が融合することで、ひとつのカルチャーになりつつあるのです。
全国軽自動車協会連合会(軽自協)の統計データを見てみると、1年間の軽自動車の販売台数は2013年度で226万1834台とピークを迎えていますが、直近の2019年度(2019年4月から2020年3月)では185万5967台と、微減の傾向がみられます。
そんななか、各メーカーでは主力のハイトワゴンタイプの軽自動車に、車中泊を意識したモデルやオプションが続々と投入されているのです。
スズキは、「スペーシア」、「ジムニー」、「エブリイワゴン」に、それぞれ車中泊用のアクセサリーを公式にラインナップし、アクティブなユーザー向けの専用サイトを開設。
とくに、シートをフルフラットにしたうえで、微妙な段差を解消して快適な就寝スペースを実現できる「ベッドクッション」や「リラックスクッション」は必須のアイテムで、エブリイワゴンには2段ベッドのオプションまで用意されています。
ダイハツは、「タント」が2019年7月にフルモデルチェンジし、同年度の販売台数が前年度比およそ+3万台の17万2679台を記録しました。
ただし、タントは車中泊をするには少し狭いのがネックです。自前でマットなどを工夫すれば車中泊は可能ですが、ダイハツでは車中泊やアウトドアレジャーを視野に入れて開発している「ウェイク」の方が適しています。
先代のタントをベースにして2014年に登場したウェイクは、軽自動車として最大の室内高1455mmという大スペースが特徴です。
抜群の積載量もさることながら、「上下2段調節式デッキボード」(グレードによっては標準装備)を加えることで、前席と後席を倒してラゲッジスペースに至るまでフルフラットにすることができます。
さらに、2WD仕様車ならラゲッジの床下部分に90リッターものアンダートランクがあるのも嬉しいところです。
そんななか、軽自動車の販売台数で5年連続トップに君臨しているホンダ「N-BOX」。2019年度は過去最高の24万7707台を売り上げています。
そのN-BOXに負けず、全国のアウトドアファンと車中泊ファンから熱烈な支持を受けているが、N-BOXから派生して2018年にデビューした軽貨物バンの「N-VAN」です。
N-VANの販売台数を見ると2018年度で4万335台、2019年度で3万8539台と、軽の商用バンとしては異例の売り上げとなっています。
商用ユースよりも個人でのレジャー使用を想定したグレードのN-VAN +STYLE FUNはカラーバリエーションも多彩で、アクティブなユーザーから人気を集めているようです。
純正で車中泊用のアクセサリーが多数ラインナップされており、低い床から一段高いスペースを作ってフラットな荷室を作れるマルチボードが最重要アイテム。
外部電源入力キットも用意されているのでオートキャンプ場などでも快適に過ごすことができます。
小さなスペースを工夫してうまく使うのは、日本人が昔から得意とするところです。これからは車中泊をキーワードに、機能性に加えてファッション性を加えた、新たなスタイルがさらに進化してくことでしょう。
素晴らしいの一言。車をもって多様化すべきだ。和室ような雰囲気でどうでしょう。