何が違う? 駐車禁止と駐停車禁止… 複雑な交通ルールの見分け方
交通ルールには紛らわしい意味や標識のものが数多くあります。今回は、代表的に間違いやすいものを紹介します。
似て非なる! 注意したい交通ルール・標識とは?
クルマやバイクを運転するうえで理解しておかなければいけない交通ルール。言葉が似ているものや、標識の見た目が似ているものなど、紛らわしいルールが混在しています。どのようなものがあるのでしょうか。
●「駐車禁止」と「駐停車禁止」
日常的な交通ルールのなかで、駐車と停車の違いは意外と間違いやすいルールです。
駐車は、道路交通法2条1項18号で「車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること(貨物の積卸しのための停止で五分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く。)、又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者(以下「運転者」という。)がその車両等を離れて直ちに運転することができない状態にあることをいう」と定められています。
つまり、荷物の積み下ろしなどで5分以上クルマを停めていたり、人が離れていてすぐに発車できない場合が、駐車とされます。一方で停車は、駐車に当てはまらない停止の仕方です。
このことから、「駐車禁止」は停車可能だが駐車不可能という状況を指し、「駐停車禁止」は、どちらも禁止されている状況といえます。
違反した場合は「駐停車違反」とされ、駐車禁止場所であれば反則金1万円(普通車)の違反点数1点。駐停車禁止場所であれば反則金1万2000円の違反点数2点となります。
また、運転者がすぐにクルマを動かせない場合は「放置駐車違反」とされ、駐車禁止区域であれば反則金1万5000円の違反点数2点、駐停車禁止区域であれば反則金1万8000円と違反点数3点が科せられます。
●「通行止め」と「進入禁止」
「車両通行止め」とは、歩行者以外のすべての車両はどの方向からも通行禁止という意味です。一方で「進入禁止」は、一方通行規制のある道路の出口に標識が設置されます。
つまり、通行止めは「通行不可能」ですが、進入禁止は「片方からの進入は可能」となっています。
しかし、どちらも補助標識で「進入できない時間」「車両の種類」「規制時間帯」などが記載されている場合があり、条件によっては走行が可能なケースもあります。また、「自転車を除く」と表示されている場合、自転車であれば出口側から走行することが可能です。
どちらも違反した場合は「通行禁止違反」とされ、反則金7000円(普通車)の違反点数2点が科せられます。
●「センターライン」と「車線境界線」
センターラインとは、道路の中央に描かれたラインのことです。道路交通法17条4項に「車両は、道路(中略)の中央(中略)から左の部分(以下「左側部分」という)を通行しなければならない」定められており、クルマはセンターラインの左側を走行することが義務付けられています。
センターラインの種類は大きく分けて「白の実線」「白の破線」「黄色の実線」の3つです。それぞれ「追い越しができるか」「はみ出し走行ができるか」に違いがあります。
白の実線は「幅6m以上の広い道路か片側2車線の道路」に描かれます。はみださずに追い越しをする余地があることから、追い越す際にはみだすのはNGです。また、バスや駐車車両を避ける場合もセンターラインを超えてはいけません。
白の破線は「幅6m未満の狭い道路」に描かれます。追い越しなどでセンターラインを越えて走ることが可能です。
黄色の実線は「追い越しのためのはみだしが禁止」を意味しています。車両の追い越しは禁止されているものの、工事車両などを避けるためにセンターラインを越えることは禁止されていません。
一方、車線境界線は、片側2車線以上の道路で「複数のレーンを区切るため」のラインです。センターラインと同じく「白の実線」「白の破線」「黄色の実線」に分けられます。
センターラインと違い、白の実線と破線は基本的に同じ扱いで、車線変更や追い越しが可能です。しかし、白の実線が使われている場合、追い越しや進路変更が禁止されている標識や法規があるケースがあるため、注意しましょう。
しかし、黄色い実線は「車線変更禁止」を表しており、例えば「黄色い実線をまたいで右折レーンへ移動する」などは禁止されています。また、線からはみ出すこと自体が禁止されているため、追い越すために走行レーンを変えることも認められません。
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