ガソリン価格が急落!? 10週連続で値下り なぜ安くなった?
資源エネルギー庁は、2020年4月6日時点のレギュラーガソリンの店頭価格は前週比2.6円安い1リットル133.7円だったことを発表。これは、原油価格の下落を受けて石油元売り会社が小売価格に反映したと見られています。では、なぜ急激にガソリン(原油価格)は急落したのでしょうか。
下がってきたガソリン価格。今後はさらに下がる?
2020年3月頃からガソリンや軽油の販売価格が下がってきており、クルマはもちろん、灯油を燃料とする石油ストーブを使う人にとって嬉しい状況が続いています。実際に、ガソリンの価格はどの程度下がっているのでしょうか。
資源エネルギー庁が発表した4月6日の石油製品価格調査結果によれば、レギュラーガソリン1リットル当たりの全国店頭価格平均は、前週より2.6円安い「133.7円」となっています。また、同庁によれば、47都道府県すべてでガソリン小売価格は値下がりの動きがあるとのことです。
日本エネルギー経済研究所の調査では、全国のレギュラーガソリンの店頭価格は、2020年3月2日時点で148円でしたが、その後1週間ごとに約2円から最大4円下がり続け、4月6日の時点では14円安い134円となっています。
また、3月30日から4月6日までの1週間でレギュラーガソリン価格はさらに下がっています。北海道では130.3円から125.2円に。
東京都は137.9円から135.4円。愛知県は133.1円から129.7円。大阪府は140.3円から138.4円と、2円以上の下げ幅となっています。何故このようなガソリンの下落が続くのでしょうか。
ガソリン価格が値下がりを続けている理由は、3月6日の「OPECプラス会合」で、サウジアラビアやロシアなど産油国同士でおこなわれた交渉決裂が原因とされています。
そして、サウジアラビアが増産を始めたことで、世界的に石油安の状態に陥り、日本でもガソリン価格が下落しました。
ガソリン(軽油含む)を使うユーザーや、まだまだ灯油を使う機会のある地域の人々にとっては嬉しいニュースですが、石油を国家戦略上重要と位置づけている国にとっては大変な問題のようです。
例えば、アメリカ合衆国では原油を生産していますが、同時に輸入大国でもあります。近年は「シェールオイル」による生産量が増加し、2019年には原油や石油関連製品の輸出量が、輸入量を上回りました。
そのため、3月6日に端を発する価格下落にアメリカ合衆国は大きな懸念を示し、3月30日にアメリカのトランプ大統領とロシアのプーチン大統領が電話会談をおこなっています。
こうした状況について、エネルギー業界の関係者は、次のように話しています。
「今回のガソリン価格の値下がりは、中東の産油国が仕掛けた『価格戦争』という側面があります。アメリカがシェールオイルなどによって輸出量を増やすことで、中東産の原油が脅かされる可能性があり、それを看過できなかったのかもしれません。この価格戦争が続く限り、ガソリン小売価格は下がっていくのではないでしょうか」
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しかし、このまま原油価格が下落し続けることは、中東の産油国やロシアの経済をひっ迫させる可能性があります。
さらに、世界中で猛威をふるっている新型コロナウィルスの影響によって、日本でも外出自粛が要請されガソリン需要が減る可能性も考えられます。
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