新型コロナショックでトヨタやF1も参入!? 自粛ムード打ち破るバーチャルレースの世界とは

新型コロナ対策で「eモータースポーツ新時代」が来るか?

 これまで、eモータースポーツで大きな実績を挙げたのが、2008年に始まった「GTアカデミー by 日産×プレイステーション」でしょう。

 グランツーリスモを舞台としたコンテストを勝ち抜いた人が、「フェアレティZ」や「GT-R」のレーシングカーでの実車トレーニングやレース参加、さらにはル・マン24時間レースへの参戦をするといった、ゲーマーからプロドライバーへの道を切り開いた、画期的なプロジェクトです。バーチャルを飛び出した、リアルワールドでの挑戦です。

「e-Motorsports Studio supported by TGR」のイメージ図
「e-Motorsports Studio supported by TGR」のイメージ図

 一方で、今回のトヨタ、F1、NASCARなどによるeモータースポーツは、日産のGTアカデミーとは逆の発想。リアルから、バーチャルへの転換です。

 むろん、レース中止や延期に対する応急措置ですが、これをきっかけにプロドライバー引退後はプロのレースゲーマーに転身という、第二の人生を送る人が出てくる可能性はもあると思います。

 リアルワールドで、プロドライバーは身体全体でG、振動、音などを感じながら走りますが、バーチャルではそうした感覚とは別の感性が必要です。

 eスポーツを見る側にとっては、リアルとバーチャルでは、レースで必要な身体能力がどのように違うのかという観点で、プロドライバーとプロゲーマーの短所と長所を見分ける、といった点に注目が集まります。

 そうしたなかで、現役時代よりもゲーマーへ転身してから大きく花開く元プロドライバーが出現するかもしれません。また、レースゲーム実況解説者への転身もありかもしれません。

 新型コロナウイルス感染の一刻も早い収束を祈るとともに、eモータースポーツが人々に元気を伝えることを期待したいと思います。

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Writer: 桃田健史

ジャーナリスト。量産車の研究開発、自動車競技など、自動車産業界にこれまで約40年間かかわる。
IT、環境分野を含めて、世界各地で定常的に取材を続ける。
経済メディア、自動車系メディアでの各種連載、テレビやネットでの社会情勢についての解説、自動車レース番組の解説など。
近著に「クルマをディーラーで買わなくなる日」(洋泉社)。

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