新型コロナショックでトヨタやF1も参入!? 自粛ムード打ち破るバーチャルレースの世界とは
新型コロナウイルス対策で、モータースポーツを含む各種興行に自粛ムードが漂うなか、トヨタはゲームのなかでおこなうモータースポーツ「eモータースポーツ」へ本格参入することを発表しました。この取り組みは、プロドライバーとゲーマーという従来の関係をも覆すような可能性を秘めているというのですが、いったいどのような状況なのでしょうか。
コロナ対策で中止・延期が相次ぐなか、救世主となり得る?
ゲームの世界でおこなうモータースポーツ「eモータースポーツ」が、新型コロナウイルスで窮地となったモータースポーツの業界でいま注目を集めています。
トヨタも参入し、盛り上がりを見せつつありますが、これによりプロドライバーとゲーマーという従来の関係も覆し、「プロドライバーが、プロのレースゲーマーに転身する」という未来も夢物語ではなくなり始めました。eモータースポーツの最前線では、いったいどんなことが起きているのでしょうか。
現時点(2020年4月上旬)で、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、世界のトップレースシリーズでレースの延期や中心が相次いでいます。
世界最高峰のF1は、開幕戦オーストラリアGPと第7戦モナコGPの中止を含めて、第8戦アゼルバイジャンGPまでのレースを延期したほか、アメリカ最大規模のNASCARも5月までの全レース延期を決定。
日本では、スーパーGTとスーパーフォーミュラがそれぞれ5月の第3戦まで延期となっています。
アメリカや欧州での感染拡大は続いており、日本でも厳しい情勢です。また、モータースポーツに限らず、野球、サッカー、ゴルフなど多くのプロスポーツのシーズン開幕の目途がまったく立っていません。
こうした状況で、自宅待機しているレースファンに向けて、レース主催企業がプロドライバー参加によるeモータースポーツを推進しています。
F1では現役F1ドライバーによる、「eスポーツ・バーチャルGP」。NASCARでは、NASCARに関連する各種レースシリーズから、eモータースポーツに自信があるプロとセミプロドライバーが参加する「iレーシング」による取り組みを実施しています。
さらに、自動車メーカーとしてはトヨタがeモータースポーツに本格参入することが決まりました。
名称は、「e-Motorsports Studio supported by TGR」。TGRとは、トヨタのモータースポーツ活動を統括するトヨタガズーレーシングを指します。開設期間は2020年4月17日からで、場所はトヨタが所有する事業所内との記載のみです。具体的な場所は追って公表されるものと思われます。
トヨタは、ソフトウェア、ハードウェアを無料で貸し出します。PlayStation4用ソフトウェアの「グランツーリスモSPORT」、レーシングシュミレーター4台のほか、TGR Youtubeチャンネルへのネット接続や配信などの使用環境を整えるということです。
使用方法としては、「レーシングドライバー同士のレース配信」や、「グランツーリスモSPORTのトッププレーヤーによるオンラインレッスン」、「グランツーリスモSPORTの公式戦の参加、その模様の配信」などが考えられます。
なお、当面の間の実施については、新型コロナウイルス感染への対策を徹底します。使用14日前からの参加者とスタッフの健康状態をチェックリストとして提出。また、手洗いや検温、ドライバー以外のスタッフのマスク着用などです。
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