安い中古車でも車両保険は必要? 保険を使うべき修理費の限度はいくら?
自分のクルマが壊れたときに修理代金をカバーしてくれるのが「車両保険」です。しかし実際には、使用することで保険の等級が下がることを気にして使わないケースも多く、また保険料も当然高くなるので、約半数の人が車両保険を付けていません。どんなときに車両保険は有効なのか、保険を使うべき分岐点(修理代)などを検証します。
任意保険加入者の半数しか加入していない車両保険とは?
クルマを所有するには、車両本体だけでなく、諸経費と呼ばれるさまざまなお金がかかります。諸経費は、税金や車検・点検代、保険などがあります。
なかでも保険、「自賠責保険」と「任意保険」が存在。自賠責保険は未加入だと車検が通らないことから、「強制保険」とも呼ばれます。
一方任意保険は、その名の通り、クルマの所有者が任意で加入する保険です。任意保険に加入している人は、7割から8割程度といわれています。任意保険が必要な理由は、高額な修理代や治療費などを自賠責保険ではカバーしきれないからです。
クルマを所有する上で加入しなければいけない「自賠責保険」で補償されるのは、下記のようです。
・傷害による損害(ケガにかかった治療費など)⇒限度額:120万円
・後遺障害による損害(ケガが原因の労働能力の低下や精神的苦痛)⇒限度額:4000万円
・死亡による損害(逸失利益や葬儀代・慰謝料など)⇒限度額:3000万円
自賠責保険の限度額を超えた費用は、自己負担となって重くのしかかってきます。さらに相手のクルマの修理代なども自己負担になってしまいます。
これをカバーするのが任意保険です。自賠責保険の金額はあくまで上限なので満額出るとは限らず、いきなり数百万から数千万円を払えと言われても…という不安を解消するために任意保険が存在します。
任意保険は、自賠責保険で補償されない部分をカバーできるタイプも多く、その代表ともいえるのが、自分のクルマの損害を補償する「車両保険」です。
しかし、車両保険まで加入すると、年間の保険料はかなりの額になります。そのため、ユーザーの約半数が車両保険に加入せず、また加入したとしても、使用して保険等級が下がることを懸念し、結局使用しないケースも多々あるようです。
通常の任意保険では、「対人賠償(事故で他人を死傷させてしまい自賠責で払いきれない部分をカバー)」「対物賠償(相手のクルマの修理や家屋や物などを壊してしまった場合の修繕費を補償)」「人身傷害賠償(乗車中や歩行中に事故で死傷したときに治療費などを補償)」がセットになっているケースが多く、最近では事故の相手側が保険未加入の場合に十分な補償が得られない場合などに使える「無保険車傷害保険」なども登場しています。
そして、自分のクルマ(契約車両)の修繕費に使えるのが車両保険です。一般的には「免責額」として一定の金額を払えば、修理費用を補償してくれます。
補償対象は意外に広く、クルマ同士の事故での修理費はもちろん、盗難やいたずらによる破損、走行中の飛び石によるガラスのヒビなどにも対応。また昨今増えている大雨による洪水などによる水没にも利用することができます。
ただし、このような全損扱いの場合は、その時点での車両の時価額が支払われるのが一般的です。古いクルマの場合は、いくらマニアックで貴重なクルマでも市場価値では算出されず、あくまでも時価額なので、加入するメリットは少ないかもしれません。
また車両保険に入っていても、レースやサーキット走行などでの自損事故には適用できないといわれています。
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