新型コロナの影響はこれから 日米欧中の2020年2月自動車販売データに見る各市場の現状は

中国市場は過去最大の下落幅を記録

アメリカ:過去最高レベルのインセンティブで前年同月比8.6%増

 2020年2月の米国の新車販売台数は、過去最高レベルにあるインセンティブの効果で販売が増加。乗用車は36万5309台と前年同月比で97.1%とマイナスになったものの、小型トラックは100万8015台と113.4%を記録。合計では137万3324台と108.6%となった。

アメリカの国防生産法に基づき、フォードはGE(ゼネラル・エレクトリック)社とエアロン社と協力し、ローソンビル工場で人工呼吸器の生産をおこなう
アメリカの国防生産法に基づき、フォードはGE(ゼネラル・エレクトリック)社とエアロン社と協力し、ローソンビル工場で人工呼吸器の生産をおこなう

 自動車メーカー別のシェアはGMが17.4%で1位、以下トヨタの14.2%、フォードの13.8%、FCAの13.4%、ホンダの8.7%と続いている。

販売ランキング
1 フォード「Ford Fシリーズ」 6万5404台
2 シボレー「シルバラード」 5万1344台
3 ラム「ラム P/U」 5万633台
4 トヨタ「RAV4」 3万8860台
5 トヨタ「カムリ」 3万245台
6 シボレー「エクイノックス」 2万9399台
7 ホンダ「CR-V」 2万8268台
8 ホンダ「シビック」 2万5617台
9 トヨタ「カローラ」 2万4993台
10 日産「ローグ」 2万2320台

出展:GOODCARBADCAR

 ただし、アメリカで新型コロナウイルスの感染が拡大したのは、2020年3月に入ってから。4月1日現在、感染者の数は18万4702人と世界で一番多くなり、死亡した人は2860人(アメリカ合衆国政府発表)となっている。 

 こうした状況のなか、3月19日にはアメリカ全土のゼネラル・モーターズ(GM)、フォード・モーター、フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)の工場を一時閉鎖。アメリカの国防生産法に基づき、GMやフォード、北米トヨタなどは人工呼吸器や使い捨てマスクなど、医療機器を生産していくという。

 今後の自動車販売にも大きく影響が出ることは必至だ。

中国:新型コロナの影響で過去最大の下落幅

 中国汽車工業協会によると、2月の新車販売台数は前年同月比79.1%減の31万台となった。

 新車販売台数が前年同月を下回るのはこれで20か月連続となったが、今回は新型コロナウイルスにより企業の生産がストップしたこと、部品供給が滞ったことで生産台数も少なく、さらに消費が停滞したことで大幅に販売台数を減らしている。

 日系メーカーではトヨタが前年同月比70.2%減の2万3800台、日産が80.3%減の1万5111台、ホンダが85.1%減の1万1288台、マツダが79.0%減の2430台。さらにスバルと三菱も90%近くマイナスになっている。

 自動車メーカーが多く集まる武漢市で都市封鎖がおこなわれたのは2020年1月23日。依然として続く封鎖は4月8日に解除される予定だが、今後の自動車生産のメドは立っていない。

今後はどうなる? 世界の自動車市場の現状を画像で見る(15枚)

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