英国初のスーパーカー! アストンマーティン「ヴァンテージ」の無敵モデル5選

ベビーアストンであり、911イーターは、アストンマーティンの屋台骨になった

 ヴァンテージは、ベビーアストンと呼ばれた、「V8ヴァンテージ」で大成功を収め、新世代ヴァンテージは2世代目へとスイッチした。

 アストンマーティン・ラゴンダ社長兼グループ最高経営責任者(CEO)のDr.アンディ・パーマーは、アストンマーティン・ブランドの栄光の歴史を語るうえで欠かすことのできないヴァンテージの魅力に関して、次のように述べている。

「最新モデルのヴァンテージおよびヴァンテージAMRは、世界中のドライバーに強烈なインパクトを与えた“ヴァンテージ”というモデルを、弊社の流儀に従って新たに解釈したものです」

●V8ヴァンテージ(VHアーキテクチャー採用)

アストンマーティンV12ヴァンテージ
アストンマーティンV12ヴァンテージ

 2003年のジュネーブモーターショーにおいて、「V8ヴァンテージ・コンセプト」が発表された。このコンセプトモデルは、その後、ヴァンテージの次世代モデルへと進化を遂げることになる。

 2年後の2005年、「V8ヴァンテージ」の生産モデルが発表され、注文が殺到することとなる。

 実際の生産開始は2005年秋だが、ゲイドン工場の第2組立ラインをV8ヴァンテージ専用としたことで、生産台数は年間3000台に迫る勢いとなった。そしてアストンマーティンの107年にわたる歴史において、販売面でもっとも成功を収めたモデルとなった。

 新車の約70%は、英国外のカスタマーに納車され、英国およびヨーロッパへの納車は2005年10月に開始、北米をはじめとするその他の地域では、2006年初頭から随時デリバリーがおこなわれた。

 V8ヴァンテージは、VHアーキテクチャーをDB9に続いて採用した市販モデルであり、DOHC32バルブを備えたドライサンプ方式の新設計4.3リッターV型8気筒エンジンを搭載した最初のクルマとなった。

 最高出力385ps/7000rpm、最大トルク41.8kgm/5000rpmのエンジンは、グラツィアーノ製6速マニュアル・ギヤボックスが標準で組み合わされ、重量は1570kg、0-60mph(約96km/h)加速は4.9秒、0-100mph(約160km/h)加速は10.7秒であった。

 このエンジンはアストンマーティン専用のもので、ドイツのケルンにあるエンジン工場でV12と並びハンドビルドで組み立てられた。

 後に、この世代のV8ヴァンテージには、426psの最高出力と47.8kgmの最大トルクを発生する4.7リッター・エンジンが搭載されることになる。その結果、0-60mph(約96km/h)加速は4.7秒に短縮され、最高速度は8mph向上して180mph(約290km/h)に達した。

 そして2009年、アストンマーティンはヴァンテージの歴史を象徴するハイパフォーマンス・モデル、「V12ヴァンテージ」を発表。2007年12月に行われたゲイドン本社の新しいデザインセンター開所式に合わせて発表された「V12ヴァンテージ RSコンセプト」をベースにしたこの量産モデルは、発売されると同時に高い人気を博した。

 V8搭載モデルからの重量増加は50kg程度に抑えられ、DBSと同様、フロントにミッドマウントしたオールアルミニウム合金製エンジンを特徴とするV12ヴァンテージは、驚異的なパワーを発生。排気量5935ccのエンジンは、1気筒あたり4本のバルブを駆動するダブルオーバーヘッド・カムシャフトを搭載、最高出力517ps/6500rpm、最大トルク58.1kgm/5750rpmを発生した。

 6速マニュアル・ギヤボックスを組み合わせたこのモデルは、0-60mph(約96km/h)を4.2秒で加速し、最高速度は190mph(約306km/h)に達した。

 このV12ヴァンテージでは満足しないアストンマーティンのエンジニアは、さらなるポテンシャルを備えたクルマの開発に取り組む。その結果、2013年に誕生したのが「V12ヴァンテージS」だ。

 V12ヴァンテージSは、最高出力573ps、最大トルク63.2kgmに引き上げられ、0-60mph(約96km/h)加速は、スポーツシフトIIIオートメーテッド・マニュアル・ギヤボックスとの組み合わせで、3.5秒という驚異的な数値をマークした。

 さらに最高速度は205mph(約330km/h)に到達し、アストンマーティン史上最速モデルとなった。

 発表から3年後には、V12ヴァンテージSに、7速マニュアル・ギヤボックスが搭載され、一部マニアに熱狂的に受け入れられた。

 V12ヴァンテージの製造期間には、様々なスペシャル・エディションが発売されたが、もっとも重要なモデルは、イタリアのデザインハウスであるザガートと再び協力して開発した、2012年の「V12ヴァンテージ・ザガート」だ。

●生産台数_V8ヴァンテージ:15458台(クーペ)、6231台(ロードスター)/V12ヴァンテージ:2957台(V12ヴァンテージSを含む全タイプの合計)

●ヴァンテージ(現行モデル)

アストンマーティン・ヴァンテージ
アストンマーティン・ヴァンテージ

 新型ヴァンテージは、2シーターのスポーツカーで、最新の自社製アーキテクチャーが採用されている。優れた空力特性と躍動感を実現するためにデザインされ、最高出力510ps、最大トルク69.8kgmを発生する4.0リッター・ツインターボV型8気筒エンジンをフロントに搭載し、ZF製8速オートマチック・ギヤボックスと組み合わされている

 最新世代のヴァンテージは、0-60mph(約96km/h)加速3.5秒、最高速度は195mph(314km/h)に達した。

 新型ヴァンテージは、E-Diffと呼ばれるトルクベクタリング機能を備えた電子制御ディファレンシャルを搭載する最初の量産アストンマーティンとなり、その骨格はDB11と共通の斬新な接合アルミニウム製プラットフォームを中心に構築されている。

 2017年末にこのニューモデルが発表された時に、Dr.アンディ・パーマーは、アストンマーティン・ブランドの栄光の歴史を次のように述べている。

「よりシャープなスタイルと俊敏な運動性能を備えた本物のスポーツカーである新型ヴァンテージは、まさにエンスージアストが待ち望んでいたアストンマーティンのピュアなドライビングマシンといえるでしょう」

 2019年には、モータースポーツからインスピレーションを受けてグラツィアーノ社が開発を担当し、「ドッグレッグ」と呼ばれる独特なシフトパターンを備えた7速トランスミッションを搭載した、「ヴァンテージAMR」が発売された。

 ヴァンテージAMRは、人車一体となったドライビング体験を生み出すために製作されたモデルだ。Dr.パーマーは、次のようにコメントしている。

「自動運転のロボットタクシーが現実味を帯びてきたこの世界において、アストンマーティンは最先端のテクノロジーによるパフォーマンス・ドライビングの世界をさらに進化させています」

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  1. 最初のやつエンジン冷えるの?

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