後方視界が悪すぎでは!? デザインを優先した車3選
クルマの外観デザインは販売状況を左右する重要な要素です。しかし、見た目だけではダメで、居住性や空力性能、視界、生産性なども考慮する必要があります。そこで、デザインを優先した結果、視界がおろそかになったクルマを3車種ピックアップして紹介します。
カッコイイけど後がよく見えないクルマがあった!?
クルマがヒットするかしないか、それを決める要素のひとつに外観のデザインがあります。多くの人はデザインを見て、好むか好まないかを判断し、そのほかの情報を照らし合わせて購入に至るのではないでしょうか。
一方で、デザインはスタイルだけを重視するのではなく、室内の広さや、空力性能、生産性、視界など、さまざまな面を考えなければなりません。
しかし、かつてはデザインを重視したと思えるクルマが存在。そこで、デザインが優先され、視界がおろそかになったクルマを3車種ピックアップして紹介します。
●日産「チェリー X-1R」
日産「チェリー」は、1970年に同社初のFF車としてデビューしました。車名の「チェリー」は、日本らしさを訴求するため「桜」から命名されたといいます。
当時の小型車は世界的にFRからFFへ移行しようとしていて、小さなボディサイズでも広い室内を確保できるというメリットがありました。
発売当初のボディバリエーションは2ドアセダンと4ドアセダンでしたが、1971年にはスポーティなクーペが加わります。
なかでも上位モデルである「X-1R(エックス・ワン・アール)」はオーバーフェンダーを装備し、1.2リッター直列4気筒OHVエンジンを搭載。SUツインキャブ仕様で最高出力80馬力を発揮しました。
チェリークーペは斬新で独特なハッチバックスタイルで、左右後方視界を度外視したリアサイドのデザインが特徴的で、左への車線変更はかなり気を使ったことでしょう。
●ホンダ「シティ カブリオレ」
ホンダは、1963年から4輪自動車を生産していましたが、本格的な自動車メーカーとして世界的に認められたのは、1972年の初代「シビック」発売からです。
そのシビックがモデルチェンジによって大きくなったため、ホンダはよりコンパクトなリッターカー(1リッターエンジンを搭載したクラスのクルマ)を企画し、1981年に初代「シティ」を発売します。
シティはそれまでのコンパクトカーにはなかった高い車高と、極端に短いフロントノーズ、全体を台形イメージしたデザインで、一般的には奇異に映りました。
しかし、限られたサイズのなかで人が乗る空間は広く、エンジンなどが収まる空間は小さく、という機能美ともいえるデザインは、ユーザーから絶大な支持を受けます。
そして、1984年にはバリエーションのひとつとして、オープンカーの「シティ カブリオレ」を発売。
ソフトトップのスタイリングやレイアウトをイタリアのデザイン会社であるピニンファリーナに依頼し、オープンでもクローズド状態でも優れたフォルムを実現。ボディカラーを12色用意することなども相まって、オープンカーながら異例のヒット作になります。
ところが、オープンの状態だと畳んだソフトトップがかなり大きくかさばり、後方の視界を悪化させてしまいました。それでも、開発初期の試作車ではもっと大きくなっていたため、市販車ではかなり改善されていたようです。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。